建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年3月号〉

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肝炎・免疫研究センターが竣工

独立行政法人国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター

平成22年4月1日付けで国立高度専門医療センターである国立国際医療センターが独法化して独立行政法人国立国際医療研究センターとしてスタートした。
 国立国際医療研究センターは研究所、看護大学、国際協力部、病院を擁するナショナルセンターであり、臨床、研究施設を新宿区地区と国府台地区に持ち、「人間の尊厳に基づき、医療・研究・教育・国際協力の分野において、わが国と世界の人々の健康と福祉の増進に貢献すること」を理念としている。
 国際医療研究センター研究所は、感染症、糖尿病・代謝性疾患ならびに肝炎・免疫疾患の基礎的研究と臨床研究からなる診断・治療法の開発を行い、国内にとどまらず広く国際の医療に貢献することを目指している。
 このたび千葉県市川市の国府台病院内に肝炎・免疫研究センターの新棟が完成することで、更なる研究成果と臨床への応用が期待されている。
 今回の研究所の計画にあたり、先駆的研究の開発等の現場として特に考慮したことは最先端の研究所が要求する建築的要件に加えて、「人」であった。
 研究所の計画では、機能性は勿論、高度なセキュリティと設備の点検、改修のしやすさに加えて将来の拡張性等が考えられるが、今回は、人の無限の可能性を開花させるのはやはり人であり、人との関わりに期待してテーマを「人」に設定した。
 敷地の配置計画では、人と人の関係を重視して、今夏開設する新外来病棟に隣接して臨床研究との掛け渡しが今後行いやすいように配置となっている。
 各フロア構成は、各研究部がお互いに連繋が取りやすい位置関係として、今回のテーマである「人」に対して各階の中央に「対話」の場をオープンスペースとして居住者がフリーにデスカッション、休憩、研修、情報収集、情報共有等幅広く活動出来るように設置した。
 また、共有部のトイレ、エレベーター、休憩室等のスペースにおいても、セキュリティとプライバシーに相反するかもしれないが、接点が作りやすいように計画した。
 今回設定した研究所計画のテーマが効果を発揮することを御祈念すると同時に完成の暁には、肝炎・免疫研究センターが大いに研究成果をあげることができることを期待したい。



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