建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年3月号〉

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2012年度北海道開発予算

道開発予算(案)総額4516億4500万円、前年度1.3%増に
北海道開発事業費は4414億8200万円

――「通常」「日本再生重点化措置」「全国防災」の3項目の予算編成


2012年度北海道開発予算
 主な項目別予算では治山治水846億7500万円(前年比100.1%)、道路整備1585億7000万円(同104.2%)、港湾空港鉄道等193億2300万円(同103.4%)、住宅都市環境整備199億1000万円(同104.8%)、公園水道廃棄物処理等70億6100万円(同108.7%)、農林水産基盤整備が886億8900万円(同107.6%)となり11年ぶりの増額予算となっている。今回の予算編成は通常予算に「日本再生重点化措置」「全国防災」を加えた3項目で計上された。「通常予算」と「日本再生重点措置」の合計では4203億1500万で前年比96.5%となり3.5%減額となるが、全国防災分が配分されたことで増額となった。

平成24年度北海道開発予算概要
 平成20年7月決定の「第7期北海道総合開発計画」基づく平成24年度事業は、北海道が強みとする「食」「観光」「環境・エネルギー」分野を中心に日本再生に貢献できよう、地域・民間の様々な社会経済活動を支える基盤整備推進に重点を置き、“食糧供給力の強化”“持続可能な低炭素循環型社会の形成”“災害に強い地域・国土の構築”の3施策を重要課題と位置づけた。
 食糧供給の強化としては、農地や農業水利施設の保全・更新(国営かんがい排水事業、国営総合農地防災事業)で別海北部(一部)地区などに着手、農地再編整備で美唄茶志内地区他に着手、治水事業による農業基盤保全(石狩川、十勝川)で農業基盤の浸水被害の低減を図る。水産基盤整備でウトロ漁港等の水産物の生産力向上や安全・高品質化を図る等の事業で安心・安全で良質な農水産物の生産と安定供給を推進する。
 持続可能な低炭素循環型地域社会形成として、釧路湿原、網走湖等の保全・再生や胆振海岸の保全施設の整備、釧路港の水生生物の生息環境に配慮した防波堤整備事業を推進する。また、廃棄物処理施設の整備や、資源再生利用の推進、再生可能エネルギーの活用事業に取り組む。
 安全・安心な国土づくりとして、一般国道229号積丹防災等の道路防災・防雪対策、橋梁補強等の耐震対策の推進、治水対策とした千歳川、沙流川、夕張シューパロダム、樽前山火山砂防等の事業、港湾施設の大震強化として石狩新港等の整備、離島における防災拠点機能確保として羽幌港、香深港を整備、また新千歳空港等の耐震性の向上を図る。その他、森林の復旧・再生などの治山対策を推進する。
 さらに、ネットワークとモビリティの向上として、広域交通ネットワークの構築事業も重視される。主な事業は、空港・港湾アクセス強化として中札内大樹道路、一般国道278号航空道路等の整備。苫小牧港、函館港の複合一貫輸送ターミナルの整備事業。新千歳空港、釧路空港等の既存空港の施設機能保持事業を行う。その他、冬期道路管理の重点化・効率化や道路防雪対策の推進を図る。
 平成24年度予算は、昨年の東日本大震災をはじめゲリラ的集中豪雨多発と自然災害から安全・安心な国土構築を意識した予算配分となっている。災害に強い北海道の地域・国土づくりに向け早期予算案決定と開発事業推進の担い手である建設業界に対しも迅速な予算執行を望みたい。







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