建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年2月号〉

年頭所感

広域周遊型観光の促進と人流・物流ネットワークの強化を図る

国土交通省 北海道開発局
函館開発建設部 部長
高橋 敏彦

高橋 敏彦 たかはし・としひこ
昭和36年1月15日生 北海道出身
昭和58年 3月 北海道大学工学部卒
上級甲種(土木)
昭和58年 4月 建設省近畿地方建設局企画部企画課採用
平成 2年 4月  同  四国地方建設局徳島工事事務所調査第二課長
平成 4年 4月  同  四国地方建設局企画部企画課長
平成 6年 7月 通商産業省基礎産業局非鉄金属課長補佐(金属班長)
平成 8年 4月 建設省大臣官房政策課計画官
平成 9年 7月  同  近畿地方建設局奈良国道工事事務所長
平成11年10月  同  大臣官房人事課建設専門官(大臣官房監察官併任)
平成12年 4月 日本道路公団副参事本社調査役(有料道路計画課付)
平成13年 5月 国土交通省国土技術政策総合研究所道路研究部道路研究室主任研究官
平成15年 1月 福岡県土木部副理事(土木部土木管理課)
平成17年 4月 国土交通省大臣官房付(国際建設技術研究所)
平成19年 4月  同  関東地方整備局道路部道路企画官
平成20年 4月  同  中部地方整備局名古屋国道事務所長
平成23年 7月  同  北海道開発局函館開発建設部長

新年明けましておめでとうございます。
 平成24年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
 皆様には日頃から函館開発建設部の施策推進に、特段のご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返ってみますと、3月の東日本大震災では、当部管内におきましても津波が噴火湾沿岸の漁業に大きな被害をもたらし、特にホタテやコンブなどの養殖施設・養殖物に甚大な被害が発生しました。また、函館駅周辺も冠水し、打撃を受けました。函館開発建設部は、津波被害から国民を守るべく、速やかに災害対策本部を立ち上げ、沿岸部の国道7路線の通行規制を行うとともに、津波被害を受けた国道279号および函館市から依頼のあった市管理の駅前道路について開通に向け迅速に復旧作業を実施したところです。
 一方、明るい話題としては、道南地方の景気は、一部に厳しさが見られるものの、全体としては持ち直しが見られました。観光客入込数は、震災直後からの大幅な減少が、夏以降は回復へ向かっています。当部関係では、4月に函館港北埠頭地区の耐震岸壁が事業着手となりました。
 7月には後志利別川が12度目の清流日本一に選定され、存在感を一層高めました。10月には、日本で唯一国宝が展示されている「『道の駅』縄文ロマン南かやべ」がオープンし、道南の魅力が、またひとつ増えました。11月には北海道縦貫自動車道が森ICまで延伸し、津波被害を受けやすい沿岸部の交通が国道5号と多重化され、リダンダンシーが強化されました。また、平成27年度に開業予定の北海道新幹線の建設工事が本格化し、道南地域の新たな発展と活性化が期待されているところです。
 さて、ここで今年度の当部の事業を簡単に説明させて頂きます。
 日本一の清流、後志利別川では、水災害のない安全・安心で豊かな自然を活かした活力ある魅力的な地域づくりを目指し、洪水対策や地震津波対策を進めます。
 道路関係では、今春、函館・江差自動車道の北斗富川IC〜北斗茂辺地IC間、国道278号尾札部道路の道道臼尻豊崎線までを開通します。今後も広域周遊型観光の促進、豊かな農水産品の物流効率化、高次医療施設が集中する函館へのネットワーク整備を進めます。
 港湾関係では、函館港における耐震岸壁の整備など、管内6港において国内外とのネットワーク機能の強化、地域経済の活性化、安全・安心な暮らしを支える港湾整備を進めます。
 また、空港関係では、函館空港の老朽化した誘導路の改良や空港地下トンネルの耐震補強の検討を進めます。
 農業関係では、大野平野地区において、農業生産性の向上と経営の安定を目指し、老朽化した農業用施設の改修を進めます。また、今金地区では、区画整理を柱とした農地再編整備事業の着手に向けた調査を進めます。
 水産関係では、管内9港において安全・安心な水産物の供給や活力ある漁村づくりを支える漁港整備を進めます。
 今後とも地域の皆さんのご理解とご協力をいただきながら、安全で安心な暮らしと地域の活性化に向けて、職員一丸となり事業を推進していく所存でおります。
 最後になりますが、皆様の益々のご健勝とご多幸を心からご祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。


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