建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年11月号〉

寄稿

当別ダムの工事現況と安全連絡協議会活動

──平成24年3月試験湛水開始

鹿島・竹中土木・岩倉特定建設工事共同企業体
当別ダム本体工事事務所 所長 山村 法男


平成20年10月に当別ダム本体工事に着手してから約3年が経過し、現在まで当工事に従事した延べ人員は約15万人強となりました。
 着手直後から昨年末まで24時間体制で現場を進め、その間に堤体基礎掘削、本体CSG打設、本体コンクリート打設、基礎処理工を終え、ほぼ本体部分の施工を終了させることが出来ました。
 日本で開発されたダム形式で造られる世界初の「台形CSGダム」であり、前例がないだけに、本体打設開始に至るまで膨大な各種試験の実施や試行錯誤を繰り返しながらの施工となりました。様々な困難を伴う工事でしたが、全員が一丸となって努力を重ねた結果、当初予定通りの昨年12月1日に打設完了式を迎えることができました。
 今年度は、来年3月初旬からの試験湛水開始に向け、天端橋梁を始めとする本体付属設備のほか、上流側諸設備の撤去、下流側では当別川までの河道整備を施工中です。
 9月からは試験湛水への最終ステップとなる閉塞工関連工事も開始し、10月初旬に堤外仮排水路から堤内仮排水路への二次転流を行った後、堤外仮排水路のコンクリート閉塞を施工する予定です。
 大雨による洪水に遭遇しない事を祈りつつ、そして湛水したダム湖を一望する日を楽しみにして工事を進めているところです。
 ダム建設事業は本体工事以外に、付替道路をはじめとする道路工事、ダム本体の取水・放流設備工事等があり、毎年多くの建設業者が工事に参画しています。
 平成20年10月に当JVが着手直後から、当別ダム安全連絡協議会の取纏め役に任命され約3年が経過しました。協議会メンバーは毎年変わりますが、各年度とも最盛期には概ね50社程度の組織となります。

 当協議会では、年度始めに行事計画を策定し、毎月各工事場所で行う安全パトロールや、作業環境周辺の清掃活動、当別町内で行われる各種行事にも積極的に参加しています。特に、協議会で重点を置いているのは、地域の方々との融和です。
 シーズン毎の交通安全運動では地元小学校前で啓蒙活動、各種の植樹祭参加と降雪期までの維持、地元祭典では準備から後片付けまでの支援等を、全会員が参加して実施しています。工事完了まで1年余りとなりましたが、最後まで協議会の皆さんと協力し、地域と触れ合う機会を多く持ち、少しでも地域の方々にダム建設事業へのご理解を深めてもらうように努力を重ねていく所存です。

▲当別ダム下流より全景を望む ▲当別ダム安全連絡協議会によるパトロール

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