建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年9月号〉

寄稿

台形CSGダムの完成を目指して

――試験湛水まであと6ヶ月

空知総合振興局 札幌建設管理部 当別ダム建設事務所所長 石川 勲 氏

石川 勲 いしかわ・いさお
昭和34年2月生まれ 旭川市出身
昭和52年4月 採用(旭川土木現業所)
平成13年4月 帯広土木現業所事業課河川第一係長
平成16年4月 函館土木現業所治水課防災係長
平成18年8月 建設部砂防災害課砂防G主査
平成22年4月 札幌建設管理部当別ダム建設事務所 次長
平成23年6月 現職


当別ダム建設事業の現在の工事経過およびこれからの工事予定をご紹介します。
 昨年9月末に本体CSG、11月末には本体コンクリート打設を終了し、12月1日に打設完了式を現場内で挙行しました。
 12月には本体部の越冬養生を実施して、屋外での作業は冬期休止としましたが、ダム内部に設置した監査廊での観測設備工事は冬期間も通して行いました。
 4月から始めた今年度工事の最大の目標は、平成24年3月に迫った試験湛水の開始です。
 試験湛水を開始するためには、色々な工事を1年間で終えなければなりません。
 まず、ダム本体部では洪水吐上に天端橋梁の架設、ダム挙動観測用の諸設備、流水の正常な機能の維持、水道用水およびかんがい用水を供給する取水・放流設備、更には照明設備、監査廊内の強制排水設備等があります。
 ダム上流側では昨年まで使用していたCSGプラント、バッチャープラント等のダム用仮設備や貯水池範囲の既設構造物撤去等があります。


▲当別ダム上流より ▲望郷橋上流より

また、ダム下流側でも、ダムからの放流水を当別川へ導く河道整備も年度内に行なわなければならない工事です。
 そして、試験湛水に直接係わる工事として、堤外・内バイパス閉塞工があります。3年前の一次転流で、ダム左岸側の堤外バイパスを流下している当別川を堤内バイパスに切り回す二次転流を10月に実施し、堤外バイパスを閉塞します。
 これらすべての作業を終了させ、3月1日に堤内バイパスに止水ゲートを下ろすと試験湛水が開始され、その後堤内バイパスの閉塞を行う事となります。
 ダム本体工事と同時進行で、道道・町道・林道等の付替道路工事が全12路線、約35kmの範囲で最盛期を迎えています。昨年までの進捗は、道道当別浜益港線望郷橋の概成を含めて約85%が完成しており、今年度は全線開通までの残り15%を施工している各業者は、一日も早く完工させるべく鋭意施工中です。現計画では、現道から新道へのシフト時期は来年2月上旬を目標として、工事を進めています。
 工事が順調に推移すると、湛水開始後約2ヶ月で最高水位に到達し、5月初旬には満々と水を湛えたダム湖が広がる事となります。
 当別ダムは、全国で初めて施工された台形CSGダムとして、これまで多くの方々からご指導とご協力を得てきました。
 今後ともご指導を仰ぎながら、最終目標である平成25年度供用開始に向け、さらなる研鑽を積み、確実な施工に努めてまいります。

▲当別ダム下流より ▲望郷橋右岸より

当別ダム建設の整備事業に貢献します
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