建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年8月号〉

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3園を統合ニーズに応え療育機能の充実図る

――「ふれあい」と「やさしさ」のあふれる施設を目指す

函館市 市立障がい児・者統合施設整備事業

▲完成イメージ

函館市は、福祉行政の一環として障がいのある人が地域で安心に暮らせる社会の実現を目指し、「障害者自立支援法」に基づき障がい者が自立して社会活動に参加し、その能力を十分に発揮できる環境整備事業を進めている。
 建設を進める「函館市立障がい者統合施設」は、あおば学園(湯川町)、ともえ学園(日吉町)、青柳学園(青柳町)の3園を統合するもので、各学園は、昭和36年から昭和43年にかけて建設された施設で、老朽化が著しいことに加え、施設利用者のニーズが多様化しており、個別の現有機能では基本的な処遇において十分対応が難しくなっている。そこで、統合施設建設により、療育機能の充実を図ることとした。
 統合施設設計にあたり、市民の期待や施設の役割を考慮し「共に助けあい・支えあう心を育む施設」「社会から愛され、大切にされていると感じられる施設」「地球にやさしい環境共生建築」「時代とともに地域に愛され、大切にされる施設」を基本コンセプトにして、“ふれあい”や“やさしさ”のある施設を目指す。

■施設の特徴

(1)ふれあい
 共同の玄関ホールを設置し、玄関を通るたびに利用者や保護者が顔を合わせことで、施設内でのコミュニティを図る。建物を囲むように庭園を配置して施設利用者誰もが使用できるようにするほか、これまで各施設で行われていた夏祭りなどの野外イベントは合同開催も検討している。
 さらに、施設には、情報提供スペースやボランティア室を配置するなど、地域との交流の場を設ける。

(2)やさしさ
 施設内は完全なバリアフリー化とするほか、障がいの特性に応じて使いやすい室内構造や配置を進める。また、施設内のエネルギーの有効利用と環境負荷を配慮し、自然光利用や高気密・高断熱、省エネシステムなどを導入して、環境にやさしい建物とする。
 施設利用者、保護者にとって期待の大きい施設建築は平成24年3月完成を目指し工事が進んでいる。


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