建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年7月号〉

寄稿

十勝農業・観光支援に向け高速ネットワーク強化と住みよい地域形成を

十勝総合振興局 副局長 木村 篤

木村 篤 きむら・あつし
昭和28年11月21日 秋田県鹿角市出身
千葉大学大学院 卒業
平成 4年 4月 留萌土現道路維持
平成 6年 4月 公園下水道課主査
平成12年 4月 旭川土現主幹(富良野市派遣)
平成14年 4月 公園下水道課課長補佐
平成14年10月 同 主幹
平成16年 4月 函館土現企画調整室長
平成17年 4月 後志支庁経済部長
平成18年 4月 後志支庁産業振興部長
平成20年 4月 都市環境課参事
平成22年 4月 十勝総合振興局副局長(建設管理部担当)


平成23年度の帯広建設管理部が執行する事業費は当初予算で94億68百万円(対前年92.0%)(道州制モデル事業(略称)、単独事業除く)となっております。
 本年度は、秋に道東自動車道が十勝まで全線開通となり、道央圏と接続します。このため、十勝地域の成長力・競争力強化はもとより、安全・安心に暮らせる地域の実現に向けた施策を選択と集中の観点からより一層重点的に実施することとしています。
・十勝の農業や製造業、観光を支援する高速交通ネットワークの強化や交通事故から道民の生命、財産を守る道路事業
・安全で住みよい地域社会形成のために、災害に対する安全性の向上に寄与する河川や砂防事業
・生活基盤の向上を図る下水道事業
 など、活力のある地域づくりを目標として事業を推進します。


<道路事業>
 帯広圏の圏域環状を担う主要道道帯広浦幌線では、翠柳大橋が平成22年3月に供用開始になりましたが、引き続き、東側次工区の整備を進めます。
 一般道道上士幌士幌音更線では、北海道横断自動車道音更帯広ICと帯広市街のアクセス向上を目指して整備を進めます。
 一般道道駒畠更別線では、帯広広尾自動車道更別ICと国道236号とのアクセス向上を目指して整備を進めます。
 浦幌町直別と共栄を結ぶ一般道道直別共栄線では、国道336号との接続に向けて霧止峠の線形改良を進め、海岸部では、海岸擁壁、法面対策を進め防災対策を図ります。また、厚内市街地区では、線形改良等の整備を進めます。
 主要道道清水大樹線では、国道274号、38号を補完する路線として、円滑な交通確保のため橋梁の架換えを伴う線形改良を進めます。

▲帯広浦幌線(翠柳橋東側)(音更町) ▲直別共栄線(法面対策)(浦幌町) ▲2丁目通(大成橋)(芽室町)


<街路事業>
 3・3・46弥生新道(春駒工区)(道道幕別帯広芽室線)では、完成した自衛隊前から中島通までの区間に引き続き、春駒工区として中島通から白樺通間の整備促進を図ります。
 3・2・309 2丁目通(道道芽室東4条帯広線)では、大成橋の4車線化を図り、事業区間の早期完成を目指します。
 国道241号と鈴蘭新道を結ぶ、3・3・128鈴蘭公園通(道道上士幌士幌音更線)については、円滑な交通確保を図るため早期の完成を目指します。


<下水道事業>
 十勝川流域の水質保全と生活環境の改善を図るため、十勝川流域下水道事業を昭和52年度から実施しており、平成23年度は、老朽化施設の機能確保をはかるため、浄化センター電気機械設備の更新を行います。


<河川事業>
 平成13年、15年の台風による大雨で大きな被害を受けた利別川では、足寄町〜陸別町間約42kmについて、引き続き治水対策を促進します。  併せて中流部の足寄町に架かる町道橋(豊栄橋)架換えのため、詳細設計に着手します。  平成14年に被害を受けた猿別川では、支川のサッチャルベツ川についても引き続き整備を促進し、地域の安全で安心した生活確保を目指します。  機関庫の川については、帯広市内の区画整理事業にあわせて、まちづくりと一体となった<ふるさとの川>としての整備を着実に進めます。

▲利別川中流地区(足寄町) ▲機関庫の川(帯広市) ▲音調津川流木捕捉工(広尾町)


<砂防事業>
 砂防事業は、居辺川や音調津川など4渓流で、渓畔林などの渓流環境の保全を図りつつ、土砂災害防止のための砂防えん堤、床固工等の整備を進めます。
 また、雌阿寒岳火山噴火警戒避難対策事業では、火山噴火に備えた監視システムの整備を進めます。

<漁港事業>
 音調津漁港について、地域戦略交付金により、引き続き護岸の嵩上げ及び消波工の設置を進めます。
 また、厚内漁港、大樹漁港、音調津漁港については、機能保全事業に新規着手し、既存施設の長寿命化対策を進めます。



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