建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年7月号〉

寄稿

地域のニーズを捉え安心で安全な
地域づくりへ効率・効果的事業推進

宗谷総合振興局(建設管理部担当) 副局長 柏葉 導徳

柏葉 導徳 かしば・みちのり
昭和31年11月20日生まれ
北海道大学大学院修士課程工学研究科土木工学 修了
昭和56年 4月 函館土木現業所江差出張所
昭和57年 8月 函館土木現業所松前出張所
昭和59年10月 函館土木現業所八雲出張所
昭和60年 4月 土木部空港港湾課
平成 4年 7月 土木部空港港湾課主査
平成 6年 4月 土木部空港港湾課主査(石狩湾新港管理組合派遣)
平成 8年 4月 土木部空港港湾課港湾計画係長
平成 9年 6月 建設部空港港湾課港湾計画係長
平成12年 4月 水産林務部漁港漁村課漁港建設係長
平成13年 4月 建設部空港港湾課主幹(石狩湾新港管理組合派遣)
平成15年 6月 水産林務部漁港漁村課主幹
平成18年 4月 網走土木現業所企画総務部企画調整室長 兼 網走支庁地域振興部主幹
平成20年 1月 建設部参事(苫小牧港管理組合派遣)
平成22年 4月 水産林務部水産局漁港漁村課長
平成23年 6月 現職


1.はじめに


組織機構改正
 気象警報や災害発生時等の防災対応業務における初動体制を強化するため、管理課に新たに主幹を設置したところです。

新たな取り組み等
●宗谷ふれあい公園
 平成21年度から開催している「宗谷ふれあい公園スノーランド」では、スノーモービルや氷の滑り台などの体験型イベントを実施し、昨年は約8,000 人の集客がありました。
●新桃岩トンネル(仮称)
 元地香深線(礼文町)は、近年、岩石崩壊による通行止めが頻発し、迂回路もないことから観光交通や住民生活に大きな支障が生じているため、危険箇所をトンネルで回避し、安全な道路交通を確保することとし、今年度から事業に着手します。


2.平成23年度事業の取り組みについて

 社会資本整備を取り巻く環境が大きく変化する中、当部においては、地域のニーズや課題を的確に捉え安全で安心な地域づくりに向けて、関係自治体などと連携を図りながら、効率的で効果的な事業の推進に取り組んで参ります。
 また、「公共土木施設の維持管理基本方針」に基づき策定した実施計画により公共土木施設の適切な維持管理を行うとともに、既存施設の長寿命化を図って参ります。


3.道路課所管事業について


<道路事業>
 農水産業や観光業が盛んな管内は、交通手段の多くを道路に依存していることから、道路交通ネットワークの強化と安全性の向上を図って参ります。地域交通ネットワークを強化するため、国道に連絡する幹線道路や、地域と地域を結ぶ道道、更には離島内の生活道路などの整備を推進します。
 また、歩行者や一般車両の安全確保のため、自歩道の設置や視距改良などの事業を推進し、安全で安心な交通確保のため、管内特有の地吹雪や積雪への対応として、防雪柵の設置や堆雪幅の確保を推進するとともに、落石などの対策として、今年度から元地香深線において(仮称)新桃岩トンネル事業に着手するほか、海岸沿いの道道において越波対策などの事業を推進します。

▲歌登咲来停車場線新交付金(交安)工事


<街路事業>
 稚内市における中心市街地の再生を目指し、官民協働のもと進められている稚内駅周辺拠点整備事業の一環として、稚内駅周辺の結節点と期待される3・4・6波止場通(駅前広場)を完成させ、供用を目指します。


<公園事業>
 公園と周辺施設との一体的利活用の推進を図るため、宗谷ふれあい公園の園路整備を行っていきます。


4.治水課所管事業について


<河川・砂防関係事業>
 自然災害から尊い人命や財産を守り、安全に暮らせる住みよい地域づくりを目指して、河川改修や砂防などの治水対策を推進するとともに、河畔林の保全など自然環境に配慮した川づくりの推進を図って参ります。
 河川では、道州制特区推進法に基づき、昨年度に国から移譲された声問川において河道断面の確保のための掘削工事や稚内市街地を流れるクサンル川において河川改修に伴う橋梁工事を行うとともに、頓別川などの河川改修を推進します。
 砂防関係では、近年山腹の荒廃が著しく土石流が発生している利尻島の雄忠志内川や大空川などにおいて土石流を防ぐ砂防施設の整備を図るほか、礼文町大備や利尻町政泊の人家連担地区において背後地の崩壊を防ぐ急傾斜地崩壊防止対策事業を推進します。
 さらに、関係自治体と連携し土砂災害の恐れのある区域において、危険周知、警戒避難体制の整備などのソフト対策として、土砂災害防止法に基づく土砂災害(特別)警戒区域の指定を促進します。


<漁港事業>
 漁業資源の減少や漁業者の高齢化など漁業を取り巻く環境が厳しい中、水産物の安定供給を図るため、漁場整備や漁村づくりとの連携を図りながら、高齢者などの労働環境にも配慮するとともに、生産活動の拠点となる乙忠部漁港、雄忠志内漁港、須古頓漁港などにおいて船揚場や外防波堤などの整備を推進します。  さらに、昨年度に道内で初めて水産物供給基盤機能保全事業に承認された差閉漁港や問牧漁港外4漁港において、施設の長寿命化を図り、更新コストの平準化や縮減に向けた整備を行います。  また、昨年、冬期風浪により被災した恵山泊漁港の南防波堤について、再度災害防止を含めた復旧工事を鋭意進めております。

▲須古頓漁港地域水産物供給基盤整備工事 ▲蘭泊漁港地域水産物供給基盤整備工事


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