建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年7月号〉

寄稿

「ゆとりと安心な暮らし」と「個性と活力に満ちた地域づくり」を目指す

胆振総合振興局(建設管理部担当)
兼 日高振興局 副局長
中西 由一

中西 由一 なかにし・ゆういち
出身地 新十津川町
北海道大学工学部 卒業
昭和55年4月 北海道庁採用(室蘭土木現業所)
平成18年4月 建設部土木局砂防災害課主幹
平成19年6月 旭川土木現業所事業部長
平成21年4月 企業局発電課長
平成23年6月 現職


1.はじめに

 3月11日に発生した東日本大震災により、お亡くなりになられた方々に哀悼の意をささげるとともに、被災された地域の皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。

管内の概要
 当建設管理部の所管区域は、北海道の道央南西部に位置する胆振・日高両管内で、西は噴火湾から東は襟裳岬に至る細長い地形で、海岸線は約290kmにわたって、太平洋と接しています。
 面積は、8,510m3で北海道の面積のおよそ10%を占め、人口は約492千人(H22.10国勢調査速報値)で北海道総人口の約9%を占めています。
 管内は西胆振地区(3市3町)、東胆振地区(1市4町)、日高地区(7町)の3地区からなり、室蘭・苫小牧を中心とした貿易、工業、登別や洞爺湖周辺における観光業、日高における軽種馬産業、さらには全域にわたる農水産業の振興など、一次産業から三次産業まで幅広い産業活動が展開されており、当管内の特色となっています。


2.平成23年度事業予算等について

2.平成23年度事業予算等について  当部の平成23年度当初の公共事業予算は、5月末時点では、対前年比約1割の減となる約146億円であり、このうち一部については、東日本大震災の復興、復旧予算として保留されています。  事業の実施にあたっては、地域の皆様方が安全で、安心して暮らせる活力ある地域社会を実現するため、地域の特性や潜在能力を活かしながら、国や市町村などの関係機関とより一層の連携のもと、限られた予算を有効に活用するため、更なる「選択と集中」の視点に立って社会資本の整備を着実に進めていきたいと考えています。


3.主な事業概要


<道路・街路事業>
 物流ネットワークの形成や広域ネットワークの形成に向けた道路の整備を進めることとしており、主な事業は次のとおりです。
 上厚真苫小牧線(苫小牧市)は、苫小牧市の西港地区と多目的ターミナルのある東港地区の連携を強化するため、平成11年度から着手しており、平成23年度は安平橋上部架設・床版工を行い、平成24年度完成を目指します。
 倶多楽湖公園線(登別市)は、登別温泉にアクセスする道路で、橋梁、擁壁工事を進めており、平成23年度は立体プレハブ桟道橋工事を行う予定です。
 3・3・301中央通(登別市)は、北海道縦貫自動車道・登別室蘭ICへのアクセス道路であり、平成21年度から着手した900mの区間で用地買収や盛土工を行います。
 また、滝之町伊達線(壮瞥町、伊達市)は、有珠山噴火に備えた迂回ルートの整備のため、一部本工事に着手する予定です。
 その他、正和門別停車場線(日高町)、宿志別振内(停)線(平取町)、3・4・9インター通(洞爺湖町)、3・4・3ときわ通(新ひだか町)などで整備を進めます。

▲上厚真苫小牧線 新交付金工事 ▲倶多楽湖公園線 新交付金工事


<河川・砂防・急傾斜・ダム事業>
 洪水や土砂災害に備えるため、安全性の高い災害防止施設の整備を進めており、治水対策として安平川(安平町)、厚真川(厚真町)、日高門別川(日高町)などの主要河川で継続して事業を実施するとともに、室蘭母恋北町3−1(室蘭市)、えりも本町1−1(えりも町)などで急傾斜地崩壊対策事業、貫気別川(平取町)、オサツナイ川(日高町)、池売川(平取町)などで砂防事業を実施します。
 さらに、火山泥流などに備えるソフト対策の整備として、樽前山火山噴火警戒避難事業(苫小牧市、白老町)、有珠山火山噴火警戒避難事業(伊達市、洞爺湖町、壮瞥町、豊浦町)を継続して実施します。
 また、厚幌ダムについては、国からの要請を受け、事業の検証を行い、「事業継続」の知事の方針を国土交通大臣に報告したところです。

▲室蘭母恋北町3-1急傾斜工事 ▲厚真川改修工事


<建設海岸・漁港事業>
 黄金海岸(伊達市)、竹浦海岸(白老町)などにおいて、浸食が著しい海岸の保全対策として人工リーフや消波工の整備を実施し、虻田漁港大磯分区(洞爺湖町)、富浜漁港(日高町)などで水産物の安定供給のため、水産物供給基盤事業を実施します。


▲虻田漁港(大磯)

HOME