建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年6月号〉

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校舎・体育館の一体化構造で環境に優しい学校づくり

――オープンクラスで教育環境の変化に対応

北海道 古平町 古平小学校改築工事

▲古平小学校 外観パース


 古平町は施設の老朽化と耐震基準等から平成24年3月完成予定で古平小学校の改築を進めている。建築にあたっては、周辺の建物に配慮して2階建てとし、近隣の圧迫感を抑えた。また、外観はシンプルなデザインとして、旧校舎のイメージを継承するなどの景観形成にも配慮している。

設計概要(全体構造)
 校舎棟と体育館棟を一体化したコンパクト設計にすることで外壁面積を極力抑え熱負荷の低減、敷地周辺の樹木を最大残すことに配慮した。体育館を中央にし、取り囲むように校舎を配置することで、既存校舎をイメージし「中庭」的空間を確保した、それにより周囲から目が届き、安心して遊べる空間とした。また、外気からの熱の影響を軽減することで暖房費を中心にしたランニングコストを低減。外壁面積を縮小し、構造駆体を供用することでイニシャルコストの低減を図る。体育館の採光は体育館と校舎の建物高さの差を利用し、ハイサイドライトを設けて光りを取り入れる。また、体育館東側に大きく開口部を確保する。開口部からは古平の街並みと日本海も一望することができる。
 普通教室は自然採光を考慮し、2階南側にまとめ配置した。二学年ごとにまとまりを持たせ、教室という枠組みを無くし「グループ学習」や「調べ学習」など多様なオープンクラスとした。オープン型とすることで、ワークスペースとともに自由な学習環境を作り、学年の境を越えたコミュニケーションを促進し、時代の変化、教育環境の変化に柔軟に対応できる特徴ある学校とする。
 一方、安心・安全な学校施設として、管理関係諸室は、不審者の侵入を抑制・防止、どこにいても子供達の様子が目に届くように1階に設置した。また、災害時の緊急避難場所となることから、耐久性・耐震性を考慮した建築構造とし、防災備品庫を設置する。
 給食センターは校舎北側に配置し、直接光の進入を低減する。また、オール電化厨房導入で調理に伴う排気ガスを抑え、室内環境を清潔に保つ。

施設概要
建設地:古平町大字浜町370番地2ほか
敷地面積:12,845.58u
建築面積: 3,355.73u
延床面積: 4,983.80u
構造規模:RC造一部S造 地上2階、地下1階
主要室:普通教室、特別支援教室、
     ことば教室、特別活動室、理科室、
     図工室、音楽室、家庭科被服室、
     メディアセンター(図書室+コンピューター教室)など


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