建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年4月号〉

寄稿 北海道農政部・農業農村整備特集

平成22年度檜山振興局管内の農業と基盤整備

桧山振興局 産業振興部 農村振興課 課長 牧野 千秋


檜山管内の農業
 檜山管内は、平成17年10月に、旧熊石町と渡島管内八雲町との合併により南北に分断された形となり、現在奥尻町を含む7町で構成され、14振興局の中でもっとも面積、人口の少ない振興局です。
 農家戸数は年々減少を続け、現在は平成2年の約半数の2,358戸になっており、耕地面積は、平成7年のピーク時から微減し現在は全道の2%に当たる15,370haとなっています。
 また、耕地面積が横ばいで農家戸数が減少していることから、1戸当たりの耕地面積は増加傾向にありますが、それでも経営規模は小さく全道平均の40%程度にとどまっています。
 管内の農業は、延宝元年(1673年)江差で大豆、稗、粟を作ったのが始まりと言われており、現在では、水稲や馬鈴しょを基幹に、野菜、豆類、酪農や養豚など各町で特色を生かした農業が展開され、水稲では、「ふっくりんこ」「ななつぼし」「きらら397」などが中心に生産されており、渡島・檜山の広域ブランド「函館育ち」として販売され高い評価を得ています。
 また、馬鈴しょは代表的な品種である「男爵」「メークイン」がそれぞれ今金町、厚沢部町が発祥の地であり、北部を中心に「男爵」、南部を中心に「メークイン」が栽培され、特に「今金男爵」は全国ブランドとなっています。
 さらに近年では、檜山の温暖な気候を活かし収益性の高い立茎アスパラガス、ブロッコリー、さやえんどう、いちごの高設栽培などの取組が行われ、このほか、厚沢部町では町内に工場を持つ焼酎会社と連携し、芋焼酎の原料となるさつまいもの「黄金千貫」の栽培が行われています。

▲中山間整備天の川中央地区(上ノ国町)


農業農村整備事業
 管内の農業農村整備事業は、昭和40年代後半から排水改良などの生産基盤の整備や、農道の整備などが実施されてきましたが、ほ場整備事業や中山間整備事業の一巡などにより、ピーク時の事業量の十分の一程度まで減少しています。
 平成22年度の道営事業実施状況は、16地区で当初予算6億5千万円となっており、中山間整備事業2地区、農道整備事業3地区、経営体育成基盤整備事業、畑総事業、ため池等整備事業、魚道整備事業等を実施しています。
 管内では一昨年の冷湿害により、基幹作物である水稲、馬鈴しょを中心に減収被害が発生しましたが、区画整理や暗渠排水の整備を行ったほ場では、農作物の品質、収量の低下が抑制され、改めて基盤整備の有効性が認識されたところです。
 今後とも、限られた予算を有効に活用するため、弾力的整備、コスト縮減を意識し、地域要望を適確にとらえた整備を進めてまいりたいと考えています。





HOME