建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年4月号〉

寄稿 北海道農政部・農業農村整備特集

平成22年度 後志総合振興局農業農村整備事業概要

後志総合振興局 産業振興部 農村振興課 課長 小山内 雅彦


後志管内の地勢・農業について
 後志は北海道の南西部に位置し、北部・西部は日本海に面し、東部は石狩地域、南部は西胆振・渡島半島に接しており、管内は複雑な地勢のため地域によって気象はかなり異なり、特に冬はその差が著しく現れ、北後志は比較的温暖で積雪量も少なめであるのに対し、羊蹄山麓は道内屈指の豪雪地帯となっています。
 こうした地勢・気象条件により管内の耕地面積は36,200haで全道の3.1%と少なめであありますが、稲作、畑作、野菜、畜産、果樹と多様な農業を展開し、北海道農業の縮図となっています。
 後志管内の農業地域は大きく4地域に分類され、北後志地域は余市町・仁木町を中心に果樹・野菜の栽培が盛んな地域で、赤井川村では肉豚、積丹町・古平町では肉用牛・乳用牛が飼養されています。中後志地域は羊蹄山麓の倶知安町・京極町・ニセコ町で馬鈴薯・甜菜等の畑作が主体となっており、蘭越町・共和町は稲作が盛んで、共和町はメロン・スイカの特産地になっています。南羊蹄地域は大根・人参等の野菜や馬鈴薯・甜菜等の畑作地帯で真狩村は食用ゆり、留寿都村は大根の生産が盛んです。南後志地域は黒松内町を中心に酪農が行われており、寿都町では小規模ながら長いも、島牧村では米などの栽培も行われています。

農業農村整備事業について
 平成22年度の道営農業農村整備事業は実施地区15地区、当初事業費8億7千5百万円で事業を推進しており、その内訳として特殊土壌地帯で排水不良地、連作ほ場が多いため、生産基盤の整備により合理的な輪作体系の確立や生産性向上を図り畑作経営の安定を図る経営体育成基盤整備事業3地区、既設落差工に魚道を設置することにより水産資源の保護と生態系の保全を図る地域用水環境整備事業2地区、泥炭性の軟弱地盤により周辺地盤の沈下に伴う用排水路の沈下の改修及び暗きょ排水の排水不良による作物の品質・収量の改善のため、用排水路、暗きょ排水の施工を行う農村災害対策整備事業2地区、区画整理、暗きょ排水、土層改良を中心に工事を実施し、生産基盤の整備水準の向上と生産性の向上、付加価値の向上により農業経営の安定を図る中山間総合整備事業4地区、近年の降雨の変化により山地流入等による水路の土砂崩壊被害が発生したため、対策工法としてコンクリートフリューム装工を行うため池等整備事業1地区、国営造成施設の多面的機能の発揮、環境への配慮等に対応した管理体制の整備を図る国営造成施設管理体制整備促進事業3地区となっています。

おわりに
 後志の本年度農業農村整備につきましても公共事業予算の大幅な削減の影響を受け、大変厳しい状況となっています。農業農村整備事業は、管内の農業を継続していくためにはもちろんのこと、農業そのものが地域経済の核として発展していくためにも必要不可欠なものと確信しているところです。平成23年度農業農村整備予算も要望額に対し昨年同様に厳しい状況となる見込みではありますが、農村振興課としましては、地元要望を十分に踏まえながら、職員の知恵と行動力を結集し、限られた予算の範囲内で効率的かつ効果的な事業推進に努めて参りたいと考えています。



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