建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年3月号〉

寄稿 北海道農政部・農業農村整備特集

留萌振興局管内の農業と農業農村整備

〜機能診断調査による機能保全コストの低減〜

留萌振興局 産業振興部 農村振興課 課長 今井 正


地勢
 留萌管内は、西部が日本海に面し、南北に130kmと縦長の地域です。
 北部には天塩川流域から宗谷総合振興局にかけて国立公園に指定されているサロベツ原野が広がり、中南部では海岸近くまで丘陵が迫る地形が多く、河川沿いに平坦地が分布しています。
 冬期間には北西の季節風が強く、日本有数の風力発電施設の適地とされ、地方自治体、第三セクター、民間企業により大型の風力発電施設が建設され、風車は65台となっており、総出力は約68,000KWで全道の風力発電量の約26%を占めています。(平成21年1月末現在)


農業
 留萌地域では、南北の異なる自然条件を生かし、酪農・稲作・畑作・野菜・果樹などバラエティーに富んだ農業が営まれています。
 酪農は、遠別町、天塩町を中心に営まれており、管内農業産出額の約5割を占めています。
 稲作・畑作・野菜は、遠別町以南で生産され、特に留萌管内米は、低タンパク質米(6.8%以下)の生産割合が高く、平成17年から4年連続全道一となり、食味の優れた産地として評価されています。
 果樹は、増毛町でりんご、おうとう、なし、ぶどうなど多様な果樹栽培が行われ、道内有数の果樹産地となっています。
 農業経営規模が拡大している反面、農家戸数、農業就業人口が減少しており、農業就業人口のうち65歳以上の占める割合が38%と全道平均を上回っている状況です。


農業農村整備
 平成22年度農業農村整備事業は、道営が14地区1,149百万円(補正含む)、団体営が4地区28百万円を執行しています。
 道営事業では、暗渠排水(農地の透排水性の改善)と用水路(水供給の効率化)を重点的に整備しています。
 農地の整備では、「弾力的な整備」手法により、効率的な効果の発現やコスト縮減に努めています。暗渠排水では、ほ場内の排水不良箇所を事前に聞き取り、暗渠の配線間隔を密にしたり、疎水材の材料にモミガラを併用し地域資源の有効活用とコスト縮減を図っています。
 農業用水利施設では、施設の長寿命化によるライフサイクルコスト低減を図る観点から、ストックマネジメントの取り組みを推進していくこととしており、平成19年度より振興局独自に農業用施設の機能診断調査を実施しています。(H19頭首工、H20揚水機場、H21〜幹線用水路)



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