建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年3月号〉

TOPICS

2010年度北海道開発予算

2011年度の道開発予算案 総予算額8.2%減の4459億9410万円に

―― 道路整備、農業農村整備などは前年比増、新規で苫小牧港・函館港整備




 2011年度北海道開発予算総額は4459億4100万円で前年対比8.2%減、公共事業費にあたる北海道開発事業費は4357億8000万円で前年比8.3減となった。
 各項目別予算で、道路整備で103.3%、農林水産基盤整備の内で農業農村整備費が105.2%、森林整備で138.0%と前年比を上回ったが全体的に厳しい予算措置となっている。地域自主戦略交付金の配分(一括交付金)が加算されることでマイナスが圧縮されることになる。

2011年度主要事業推進にあたり
 北海道総合開発計画の推進主要施策は、(1)北海道における食の供給力(生産・加工・流通)の強化(2)多様な連携による受入環境・運転環境・沿道環境整備によるインバウンド観光振興(3)CO2削減に向けた北海道環境イニシアティブの発揮―などを中心に「食」「観光」「環境」分野での施策が柱となっている。
 食の供給強化推進事業では、@農業農村整備事業で食料生産力の向上と効果的で持続的な農業経営支援A水産基盤整備事業で水産物の供給力向上と衛生管理・品質の向上を図る。また、生産・流通基盤を守るための防災対策として千歳川遊水池群の整備事業などを進める。国内・国際物流基盤の強化として複合一貫輸送ターミナルの整備事業として新規に苫小牧港、函館港の整備に着手する、ほかに高規格幹線道路整備で物流ネットワーク強化を図る。
 観光面では、北海道らしい個性的な景観や自然とのふれあい空間の形成に向け良好な水資源・水辺景観の保全・再生事業に取り組む。観光受入環境整備のためにも観光地アクセスの改善として高規格幹線道路等の整備事業と冬期間の防災防雪対策で安全確保を図り、観光地づくりを支援する。
 環境に対する施策では、北海道の豊かな自然環境の保全・再生で次世代に引き継ぐ、茨戸川、網走湖の浄化事業やCO2削減に向け効率的エネルギー消費者社会の実現、低環境負荷型エネルギーの利活用の推進を位置づけている。
 一方、数年来の地球温暖化に伴う気象変化などによるゲリラ的集中豪雨の多発や水害による被害も増加し、さらに火山による災害、地震・津波対策も重要になっている。その中で、北海道は自然災害に対する対策がいまだ脆弱であり、安全で安心な地域づくりに貢献する建設業界の力が必要となっている。
 国交省が掲げる“安全・安心な国土づくり”を推進するためにも、北海道開発局の存続と共に道内景気対策、「食糧基地北海道」の位置付けを明確にし、平成23年度本予算・北海道開発予算及び補正予算による速やかな事業推進執行が求められる。





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