建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年3月号〉

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狭小敷地を有効利用 桑園小改築工事進む

―― 児童の安心・安全と環境に優しい校舎めざす

北海道 札幌市 桑園小学校


▲桑園小学校全景(完成予想パース)


計画地の特色
 計画地はJR桑園駅の南西約500mに位置し、商店街から離れた閑静な住宅地の中にあり、敷地が学校施設としては狭小で、約100m×100mの正方形に近い形状となっており、四方は市道を挟み、住宅・マンションに囲まれている。

配置計画
 校舎と屋内運動場を南北に並べ、また、北側に背の低い屋内運動場を配置することで、敷地内外への日影の影響を少なくしている。
 工事中も現校舎を使用しながら、現在のグラウンド位置に新校舎を建設する。敷地が狭小なため、屋内運動場棟の改築を同時に行えず、新校舎は既存屋内運動場棟と仮に接続する。本工事終了後、現校舎の解体を行い、その跡地(敷地の北西側)に新屋内運動場棟を建設し、今回の新校舎と新たに接続する予定。
 新校舎の正面となる敷地南側の樹木を多く保存し、通学路としても再整備し、給食などの車両動線は西側からとして歩車分離を図り、安全性を確保している。

平面計画
 校舎中央に光庭を設け、東西に配置した普通教室群に自然の明かりをとりいれ、普通教室はワークスペースを併設し、学年毎の授業などに柔軟に対応できるようにしている。
 グラウンドの広さを確保するため、プール(25m×4コース)を最上階に設けており、今まで以上に利用しやすくなる。
 校庭に面した各階のテラスを階段状にセットバックさせて、上下階の繋がりをつくり、開放感を感じられる場を設けている。
 児童の動線が集まる正面階段横に、児童の溜まり場、憩いの場として利用できる小スペース“デン”を配置し、各階毎にプランを変える事で、6年間の学校生活に変化を与えることができる。
 管理諸室は1階に配置し、特に職員室は昇降口・グラウンドが見渡せるよう、防犯性・安全性を考慮した計画となっている。

その他
 外断熱工法と断熱樹脂サッシを採用し、環境負荷低減、コスト縮減及びコンクリートの耐久性の向上を図っているほか、 揮発性有機化合物等による室内の空気汚染対策については、建築材料の選定や、機械換気などで対応する。校舎屋上には、太陽光パネルを設置し、児童の見学用スペースも確保し、発電の仕組みや発電量などを示す表示板を設置する。
 また、エレベーター及び車いす用便所を設置し、障がい者にも配慮したつくりとなっている。


桑園小学校改築工事 概要
建設場所:札幌市中央区北8条西17丁目1-1、5-1
規模構造:校舎棟 RC造5階建 一部地下1階
敷地面積:11,892u
工  期:平成22年6月〜平成23年3月
竣功予定:平成23年3月11日
建築面積:校舎棟       2,545u
     附属舎         21u(飼育舎)
     仮設渡り廊下     132u
     (既存校舎棟     1,860u)
     (既存屋内運動場棟   702u)
     (既存プール棟     55u)
     計         5,315u
延床面積:校舎棟       9,498u
     附属舎         21u(飼育舎)
     仮設渡り廊下     132u
     (既存校舎棟     5,580u)
     (既存屋内運動場棟   753u)
     (既存プール棟     55u)
     計        16,039u
教室等:
@普通教室 24教室
A特別支援学習室 2教室+プレイルーム
B特別教室 理科室、音楽室(第1・第2)、図書室、家庭科室、コンピュータ教室、教育相談室、特別活動室、教育相談室
C多目的室 少人数対応、ランチ対応、視聴覚対応
D管理諸室 職員室、校長室、放送室、事務室、保健室、用務員室、PTA室、 給食室等



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