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▲B街区 |
沖縄県那覇市のモノレール旭橋駅周辺で進められてきた再開発事業の南地区が、いよいよ今年いっぱいで完成を迎える。この「モノレール旭橋駅周辺地区第一種市街地再開発事業」は、県都・那覇市の玄関口にふさわしい顔づくり、賑わいづくりなどを図るため、地権者・地元企業や団体などが出資して設立した「旭橋都市再開発株式会社」が推進している。
目標は、安全・快適な歩行者空間の整備とバスターミナルの利便性を向上させることで、交通結節点機能を強化し、また都市活動、都市生活を支えるための業務、商業、宿泊等多様な都市機能を導入すること。そして、那覇市の玄関口としての「顔」となる風格と、豊かでゆとりある都市空間を形成することにある。
この事業は那覇市だけでなく国、県レベルでも都市計画において重要な位置づけにある事業で、平成11年4月には、国・沖縄県及び那覇市の那覇都市計画マスタープランで、広域的な業務機能が集積する業務拠点として土地の高度利用をすすめ、機能の充実を図る地 区と規定され、14年12月には沖縄振興推進計画で、沖縄振興施策の主な取り組みの一つとして当地区再開発の促進が明記された。また、15年1月には那覇市中心市街地活性化基本計画において、『中心市街地活性化のための事業展開』において、モノレール駅前再開発事業の促進が明記されており、「交通結節点機能の強化を図り、業務・宿泊等機能の集積、沖縄・那覇の玄関口に相応しい顔づくりを目指す」と規定された。そして、同年7月には対象地である旭橋駅東地域(11ha)が、都市再生特別措置法によって緊急に整備すべき都市再生緊急整備地域(第3次指定)として指定されるなど、県都として相応しい都市形成の必要性が強調されていた。
こうした都市計画における要請に基づき、開発コンセプトは以下のように設定された。
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▲旭橋再開発 鳥瞰 |
「人、もの、情報の交流拠点の創造」−職・遊・住のシンボルとなるまちづくり−
商業、業務、住居の一体化と都市空間ネットワークを形成するため、ペデストリアンデッキ、水と緑のオープンスペース等によるコミュニケーションの拠点づくりを実現する。
観光と都市生活の融合−那覇市の活性化に寄与するまちづくり−
「ハレ」「ケ」の同居によるまちの活性化と、観光客が滞留しやすい施設の充実、都市生活者にとっても利便性が高く快適に過ごせる施設の充実を実現する。
交通結節点の再構築−交通の拠点となるまちづくり−
モノレールとバスの結節による、新しい交通インフラを整備し、交通結節点と商業の融合によるにぎわいを創出する。
環境との共生、融合、調和−快適で人と環境にやさしいまちづくり−自然環境との共生を図り、沖縄の生活文化との融合によって、周辺環境との調和を実現する。
これらのコンセプトに基づき、国道330号を境目に北地区4.5haを再開発事業地区と規定し、南地区2.7haを第一期施工地区として配置計画が作成され、南地区から着工された。南地区は街区をB-1、C、D-1、E-1に区分され、平成19年6月にC・D-1・E-1街区で工事着工した。20年10月にはE-1街区(カフーナ旭橋パーキング)が完成し、21年5月にC街区のカフーナ旭橋C街区が完成。同年7月にD-1街区のフレスコア旭橋が完成し、3号デッキが開通。そして22年1月にB-1街区に工事着工し、いよいよ24年3月の竣工をもって、南地区の事業は完了する運びとなった。
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