建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年2月号〉

寄稿

平成22年度 胆振総合振興局管内農業農村整備事業概要

胆振総合振興局産業振興部農村振興課 課長 中村 祐之


地勢
 胆振総合振興局管内は11市町(4市7町)からなり、総面積は3,698kuで、本道総面積の4.4%を占め、東西152km、南北98kmの細長い区域で、南側の218kmが太平洋に面しています。
 管内の気候は、全般的に臨海性で海霧の発生する地域や冷涼な地域を含みますが、積雪寒冷の厳しい北海道にあっては、比較的温暖で暮らしやすい地域となっています。
 春の訪れは比較的早く、夏は蒸し暑さがなく、さわやかで安定した気候の長い秋が続きます。冬は大陸からの寒気の影響が小さく、山間部の一部を除き温暖で積雪量が少ないなど恵まれた気象条件にあります。

農業
 管内は道央圏南部の工業地帯に位置していますが、東部の勇払平野、西部の河川流域台地を中心に、冬暖かく夏冷涼な気候を活かした多彩な農業が展開されています。
 東部地域の厚真町、むかわ町などでは、水稲が中心作物となっているほか、野菜、畑作物、花き、肉用牛が生産されています。白老町では、鶏、肉用牛が生産されており、苫小牧市、安平町早来地区では野菜生産、酪農、畜産が行われてます。
 また、安平町追分地域、むかわ町穂別地域ではメロンが栽培され、むかわ町、安平町などでは軽種馬の生産も行われています。
 西部地域の伊達市、豊浦町、洞爺湖町、壮瞥町では、温暖な気候を活かし、露地野菜、高級菜豆、果樹、稲作や施設園芸作物など多種多様な農産物を生産しているほか、酪農、畜産も行われてます。

農業農村整備事業
 平成22年度の農業農村整備事業は道営が21地区で1,467百万円、団体営が6地区、公社営が1地区の計28地区の執行を予定しています。
 水田の整備は、厚真町を中心に展開しており、ほ場の大区画化とともに用排水・農道等の一体的な整備を実施し、農地の集積・担い手育成を促進しており、新たにむかわ町での整備を本年度から実施しています。
 畑地の整備では、伊達市大滝区で営農用水の整備、安平町では畑地かんがいの普及・推進のためのモデルほ場を設置し、利水のノウハウ等を蓄積しています。
 その他、農道の整備・保全を目的にむかわ町、豊浦町、厚真町で実施しています。
 農地等の保全管理として海岸保全施設整備事業を伊達市と登別市で、豊浦町では海岸環境整備事業を継続して実施しており、地すべり対策事業は壮瞥町とむかわ町で実施しています。
 また、平成22年度の追加経済対策に係る補正予算として706百万円の事業費が追加され、経営体育成整備事業、他3事業において、3月発注に向けた準備を進めているところです。
 胆振では近年、「食」に対する消費者ニーズに対応するため、農薬や化学肥料の使用量削減などクリーン農業の取組みが管内各地で定着化しています。また、バラエティーに富んだ農業が営まれ、雄大な自然や美しい農村景観に恵まれた観光地でもあることから、農畜産物や手作り加工品などの直売店、地場の新鮮な食材を生かしたファームレストラン、農作業や加工体験できるふれあいファーム等が数多くあります。
 食料自給率の向上、環境と調和した持続的農業の推進と潤いのある農村をつくるため、農業・農村の整備を計画的に進めて行きたいと考えており、より一層のご理解とご協力、並びに胆振管内の農畜産物消費をよろしくお願いします。



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