建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年2月号〉

年頭所感

北海道新幹線と広域観光圏整備による道南地域活性化に期待

国土交通省 北海道開発局 函館開発建設部 部長 木村 邦久


 新年明けましておめでとうございます。
 平成23年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
 皆様には日頃から函館開発建設部の事業実施につきまして、特段の御理解、御協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返ってみますと、当部管内におきましても、経済・雇用情勢には依然として厳しいものがありますが、観光面では4月に「はこだて観光圏」が国土交通大臣から新たな広域観光圏に認定されるとともに、6月の函館競馬場のリニューアルオープン、7月の函館奉行所の復元公開などにより函館市の観光入込客数が増加に転じるなど、明るい話題もありました。また、平成27年度に開業を予定している北海道新幹線の建設工事の本格化などにより、渡島・檜山の道南地域は新たな発展と活性化が期待されているところです。
 函館開発建設部は、渡島・檜山の道南地域において、北海道の総合的な開発を進める「北海道開発局」の現地機関として、治水、道路整備、港湾整備、空港整備、水産基盤整備、農業農村整備などの公共事業を実施しています。
 今年度の当部の事業につきましては、治水事業では、水災害のない安全でゆとりのある社会基盤の形成を図るとともに、豊かな自然を活かした個性的な地域づくりを目指して、国土交通省が行っている全国一級河川の水質調査で、過去に何度も水質日本一になっている日本有数の清流河川である後志利別川の整備を進めています。
 道路事業では、広域周遊型観光の促進や空港・港湾と豊かな農水産物を生産する道南各地域を結ぶことにより物流の効率化に寄与するとともに、高次医療施設が集中する函館への救急搬送をより安全なものとする、函館・江差自動車道や函館新外環状道路(空港道路)など、地域にとって必要不可欠な道路ネットワークの整備を進めています。 
 港湾事業では、ネットワーク機能の強化、地域の活性化や安全・安心な暮らしの実現を目指し、国際貿易や国内物流拠点としての港湾機能の充実、地域生活基盤の充実などに向けた整備を進めています。空港事業では、函館空港の老朽化したエプロンや誘導路の改良整備を進めています。水産基盤整備事業では、活力ある漁村づくりの推進、自然と調和した漁港づくりの推進や安全・安心な漁村の形成等を目指した漁港の整備を進めています。
 農業農村整備事業では、大野平野地区において、老朽化した農業用施設を再編整備し、農業用水を安全かつ安定的に供給することにより、地域農業の生産性の向上と経営の安定を目指します。また、今金地区において、区画整理を柱とした農地再編整備事業の実施を契機に、多様な担い手が支える農業生産システムを構築するとともに耕畜連携による循環型農業を展開できるよう調査を進めています。
 政府は、昭和27年(1952年)の北海道開発第1次五か年計画を皮切りに6期にわたる計画を経て、平成20年7月、「地球環境時代を先導する新たな北海道総合開発計画」を閣議決定しました。
 この計画のもと、函館開発建設部では、地域の皆さんの御理解と御協力をいただきながら、今後とも、安全で安心な暮らしと地域の活性化に貢献する事業を着実に職員一丸となり推進していく所存でおります。
 最後に、皆様のますますの御健勝と御多幸を心から祈念し、年頭のご挨拶とさせていただきます。



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