建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年1月号〉

ZOOM UP

中央の大空間を小空間で囲み自然な防音対策を実現

東京都港区 (仮称)港区立高輪子ども中高生プラザ


▲(仮称)港区立高輪子ども中高生プラザ 外観パース


 港区高輪で地域の既存樹木との連担した港区立高輪子ども中高生プラザ(仮称)の新築が進められている。計画では、地域の既存樹木との連担した環境を形成することを目標としており、敷地内及び周辺の樹木を活かしながら、高輪一帯に残る屋敷林と連担して地域グリーンネットワークづくりに貢献する緑地帯を創出する方針。
 また、プライバシー保護と開放性の両立を実現するため、大型の出窓の様な形態を採用。近隣との対面を避ける窓配置によって相互のプライバシーに配慮する一方、内部からは開放感が感じられる空間を形成している。
 立地環境が住宅街にあるため、防音対策としては体育室やプレイルーム、音楽スタジオ、キッズルームなど、騒音源となり得るスペースを中央に配置。周りを通路・小部屋(多目的ホール・音楽スタジオの前室)などで取り囲む構成にしている。さらに、音楽スタジオや多目的ホールなどの音響諸室には浮き床構造を採用し、本体から切り離すことで振動伝達も防止している。
 配置計画では、建物の中央に主要なたて動線となるエレベーターと階段及びサービス用のエレベーターを配置し、北側には2ヶ所の避難階段を設けている。また、主要なたて動線を中央に配置することで動線を明快にした。
 その他、環境負荷低減を実現するため、遮光ルーバー、レンガ積2重壁、屋上緑化により外皮断熱性能を確保。窓面積の最小化、ペアガラス、2重サッシ(高気密アルミサッシ+木製サッシ)の採用によって、開口部断熱性能を確保。「オーバーハング」「サイドフィン」など、日除けの建物形状による日射遮蔽性能を実現。採光はライトダクト形状のトップライト、透光膜天井などにより自然光を導入。空調は床吹出し空調。また、クールチューブによる機械換気建物のパッシブ型環境基本性能を実現することにより、環境負荷低減を図っている。


1階 児童館
 ・子育てひろば・保育室・キッズ図書
地域開放ゾーン
 ・談話ラウンジ・会議室・防災備蓄倉庫
2階 児童館
 ・学童クラブ室・多目的創作室・体育室
3階 高輪図書館分室
 ・YA図書・児童図書・AVメディアコーナー・学習コーナー・閲覧コーナー
4階 児童館
 ・多目的ホール・音楽スタジオ・研修室



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