建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年1月号〉

工事中でも生活道路を安全・安心に通行できる工夫

函館建設管理部2010年度 優秀現場代理人

小谷石渡島知内停車場線B-147改築工事
株式会社 菅原組 現場代理人 佐々木 政喜

佐々木 政喜 ささき・まさき
昭和61年 3月 国士舘大学工学部土木工学科 卒業
昭和61年 4月 株式会社菅原組入社現在に至る
資格
昭和62年11月 乙種火薬類取扱保安責任者免許
平成 2年 2月 1級土木施工管理技士免許
平成22年 3月 監理技術者資格者
平成22年 2月 監理技術者講習修了証
平成20年 2月 水産工学技士
工事経歴
平成16年度施行 江良漁港-3.0m岸壁改良外一連工事の担当技術者
平成17年度施行 福島漁港-3.5m岸壁改良外一連工事の現場代理人及び監理技術者
平成19年度施行 福島漁港防砂堤建設工事の現場代理人及び監理技術者
平成20年度施行 小谷石渡島知内停車場線災害防除工事(地域連携)の現場代理人及び監理技術者
平成21年度施行 小谷石渡島知内停車場線(B-147)改築工事の現場代理人及び監理技術者




 本工事は、渡島管内知内町の涌元地区と小谷石地区を結ぶ海岸に面した道々において、消波ブロックの改良を延長110mにわたって行う工事です。
 この道々は、小谷石地区への道路が他にないことから常に生活道路として利用され、唯一の公共交通であるバスについてもこの道路を利用しています。しかしながら、長年に及ぶ波浪の影響で、海岸に据え付けられた消波ブロックが崩れ、高波の際には道路にまで波が押し寄せ、通行止めになることもしばしばでした。
 そのため、消波ブロックの改良を行い、常に安全に通行できる状態に復旧することを目的として工事が発注されました。
 施工に当たっては、海岸に据え付けられている既設の消波ブロックを撤去する際も、新たに製作したブロックを据え付ける際も、道路上からクレーンにて作業を行わなければなりません。設計では、ラフテレーンクレーンでの作業を意図していましたが、アウトリガーの張り出しにより、片側交互通行も出来ぬほど道路を占有してしまうため、監督員と協議を行いクローラクレーンでの作業を行うこととしました。
 クローラクレーンでの作業を行うことにより、道路占有幅をラフテレーンクレーンよりも狭く設定することができるので、片側交互通行が可能となり、一般車両はもちろんのこと、公共のバスの運行や緊急車両の通行時にも対処することができました。
 また、クローラクレーンの待避場を現場内に築造し、作業時間以外の時間帯においては、クローラクレーンを道々から待避させることにより、道路規制を設けずに全開放を行うことができました。
 施工に先立ち、地元説明会を開催したうえで、さらに小谷石地区の住民の方々に対し工事期間や施工時の安全対策、通行に際しての協力依頼を記したパンフレットを製作し、家屋一軒ごとに配布して工事への周知と協力を呼びかけました。
 地元漁業関係者の漁期の関係上、消波ブロックの撤去・据付作業は1月からでなければ実施できないという工期的な制約があり、厳寒時の施工という厳しい条件ではありましたが、発注者の指導及び工事関係者、地元住民の方々の協力により、無事故無災害で完工することができました。


工事名:小谷石渡島知内停車場線(B-147)改築工事
工事場所:北海道上磯郡知内町小谷石
工  期:平成21年10月6日〜平成22年3月19日
工事内容:海岸工事 L=110m
 海岸土工
  掘削工 一式
  土砂掘削 69m3
 消波工
  消波ブロック工 一式
  消波ブロック製作(8tブロック) 168個
  消波ブロック製作(8tブロック) 266個(冬期養生)
  消波ブロック据付(8tブロック) 434個
  消波ブロック撤去(6tブロック) 244個
 雪寒施設工 一式
  (防寒囲い)Wタイプ S1 550u
  (防寒囲い)Wタイプ S2 1,480u
  (防寒養生)     941m3
 事業損失防止費
  事業損失防止費 一式






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