建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年1月号〉

寄稿

平成22年度 オホーツク総合振興局管内農業農村整備事業概要

オホーツク総合振興局産業振興部整備課 課長 春名 良雄

▲訓子府南部地区


地勢・農業
 オホーツク総合振興局は、北海道の北東部に位置し、約278kmの海岸線でオホーツク海に面しており、耕地面積は167,100haで全道の14%を占め、広大な土地資源を生かした畑作と酪農を主体とする大規模土地利用型農業が展開されています。
 気候は、冬の寒さは厳しいものの、比較的穏やかで、年間降水量は600〜800mm台と少なく、日照時間にも恵まれていますが、農耕期間の気温は15〜16℃のため、畑作と酪農を中心とした農業が展開されています。
 こうした気象や土地条件などの違いにより、管内では斜網・北見・東紋・西紋の4地域に大別され、それぞれの条件に合わせた特色のある農業が営まれています。主な作物は全道一の収穫を誇る玉ねぎや麦、てん菜、ばれいしょなどの畑作に加え、酪農が中心で食糧供給基地としての大きな期待を担っている。
 また、近年は付加価値向上のため農業者自ら行う加工品の製造・販売や野菜・花きなど収益性の高い作物の導入、さらにファームイン・直売所・農業体験などによる都市住民との交流といった取り組みが行われています。
農業農村整備事業
 オホーツク総合振興局管内の土地は泥炭、重粘土、火山灰などの特殊土壌が広く分布し、これらの農地は気象に左右されやすく、昨年・今年の異常気象には奇しくもこのことを再認識させられ地元からも大きな期待が基盤整備に寄せられています。
 事業費は当初予算ベースで平成21年度87億が59億円となりましたが、管内では、主に畑作地域は畑地帯総合整備事業、酪農地帯は草地整備事業により排水性や土地条件の改善を中心に事業を実施しています。
 また、新たな取り組みとして、透水性の高い火山礫やホタテの貝殻を利用した暗渠排水、作物の生育に適した土壌に改善するための客土などのほか、各出張所では「農地カルテ」等に積極的に取り組み、受益者の要望に添った生産性の高い農地への改良整備に取り組んでいます。



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