建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年1月号〉

寄稿

平成22年度空知総合整備振興局整備課所管農業農村整備事業の概要

空知総合振興局産業振興部 整備課長 井上 秀治


 空知総合振興局では、農家戸数の減少と急速な高齢化の進行、環境問題の顕在化や食の安全・安心に対する消費者の関心の高まりに対応するため、安全・安心で高品質な農産物の生産とそれを支える担い手の育成・確保に向けた生産基盤の整備に取り組んでいるところです。
 経営体育成基盤整備事業を主体に、かんがい排水事業、農道整備事業、地域用水環境整備事業、畑地帯総合整備事業、中山間整備事業、地すべり対策事業、防災事業(ため池等整備事業、農村災害対策整備事業)が実施されており、平成22年度は執行ベースで98地区、13,613百万円を予定しています。
経営体育成基盤整備事業
 水田農業の効率化・合理化と担い手への農地の集積を図るための事業で管内の中心事業となっています。整地工、用排水路工、暗きょ排水工などが行われています。事業費ベースで全体の82%を占め、一般型3地区、面的集積型59地区、地域水田農業再編緊急7地区が実施されており、管内の広い範囲で実施されています。
かんがい排水事業
 事業費ベースで全体の9%を占め、農業用水再編対策1地区、国営附帯5地区、施設の機能診断に基づき機能保全対策の実施により、施設の長寿命化とライフサイクルコストの低減を図る基幹水利施設ストックマネージメントが3地区が実施されています。
農道整備事業
 広域農道1地区、一般農道1地区、農道保全対策1地区、農道特別対策4地区が実施されています。
畑総事業
 担い手支援型1地区が実施されています。
中山間総合整備事業
 生産基盤型2地区が実施されています。
地すべり対策事業
 2地区が実施されています。
防災事業
 ため池等整備2地区、農村災害対策整備1地区が実施されています。
炭素貯留関連基盤整備実証事業
 基盤整備による農地土壌への効率的な炭素貯留方策についての検討を行う事業で、2地区が実施されています。
地下かんがい施設整備
 また、空知管内の特徴的な整備として暗きょ排水施設を活用した地下かんがい施設整備があります。当システムは用水路と暗きょ排水上流部を接続し、かんがい用水を注水することによって、暗きょ管を通じて地下水位を上昇させ、作土層内に水分を供給する方式です。これにより地下水位の制御が可能となり、水田直播の初期の浅水管理、転作作物の収量増や品質向上に加え、暗きょ排水の洗浄が容易になると同時に長寿命化にも寄与するものです。
 管内では約10年前から整備を開始し、現在では、岩見沢市、美唄市を中心にH21までに2000haが整備済み、H22以降は約1700haの整備を予定しています。

▲集中管理孔を利用した地下かんがい方式


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