建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年12月号〉

ZOOM UP

高機能・多機能な学習環境と児童の安全性を備えた学校づくり

――地域住民の活用や防災拠点の役割を担う施設に

北海道 釧路市 釧路市立中央小学校

▲釧路市立中央小学校 全景パース


 『釧路市立中央小学校』は、明治31年に『日進学校頓化(とんけし)分教場』として開校された『寿小学校』と、大正5年に『釧路第四尋常小学校』として開校された『旭小学校』の歴史のある2校が、平成12年に作成された『小中学校適正配置計画』により統合計画が示され、改築に先立ち、平成19年度に2校が統合し、開校されたものである。
 改築工事に関しては、今年度から3ヵ年をかけて新しい校舎が建設されることになっており、平成22年度は体育館棟、平成23年度から平成24年度にかけて教室棟が建設され、平成25年度に外構工事が行われる予定である。
 敷地は、釧路市の幹線道路である国道38号線に面しており、釧路駅までは500〜600m程度しか離れていないが、大きく育った樹木が多数あるため、緑豊かな環境となっている。
 設計を進めるにあたり、基本的方針を以下のとおり定めた。

高機能かつ多機能的で変化に対応し得る弾力的な施設環境の整備
 教育内容・教育方法等の変化などに対応して、多様な学習内容・学習形態やコンピューターその他の高度な教育機器の導入などを可能とする高機能かつ多機能な学習環境を確保し、更に今後の学級教育の進展や情報化の進展等に長期にわたり対応することができるような柔軟な計画とすることが重要である。
健康的かつ安全で豊かな施設環境の確保
 児童等の学習及び生活のための空間として、児童の健康と安全を十分に確保することはもちろん、豊かな人間性を育む、文化的な環境づくりを通して、魅力に富み、快適で豊かな施設環境を確保することが重要である。また、十分な安全性、防災性、防犯性を備えた安心感のある施設環境を形成すること、環境に配慮して施設づくりを行うことも重要である。

地域の生涯学習やまちづくりの核としての施設の整備
 地域住民にとって最も身近な公共施設として、まちづくりの核、生涯学習の場としての活用を一層積極的に推進するためにも、施設のバリアフリー対策を図りつつ、必要に応じ他の文教施設や高齢者福祉施設等との連携や地域の防災拠点としての役割を果たし、また、景観や町並みの景観に貢献することのできる施設として整備することが重要である。


建物概要
建物名称:釧路市立中央小学校
建設位置:釧路市寿1丁目6番1、6番2
構造規模:体育館棟 鉄骨鉄筋コンクリート造一部鉄骨造平家建
     教室棟  鉄筋コンクリート造一部鉄骨造3階建
延床面積:体育館棟 1,276.35u
     教室棟  5,453.41u
     合 計  6,729.76u
教室棟主要諸室:
 普通教室/普通学級(11教室)、特別支援学級(4教室)
 特別教室/多目的ホール、特支プレールーム、図書室、図画工作室(準備室)、音楽教室(準備室)、児童会室、
        家庭科教室(準備室)、理科教室(準備室)、コンピューター室、視聴覚室、工作室(準備室)、
 管理諸室/職員室、校長室、会議室、保健室、教育相談室、コンテナー室、用務員室、電気室、機械室、器材庫、
        職員用トイレ、更衣室、職員・特支玄関
 そ の 他/児童用トイレ、特支用トイレ、多目的トイレ、玄関、水飲場
体育館棟主要諸室:
 アリーナ、ステージ、放送室、控室、機械室、消火ポンプ室、ミーティングルーム、器具庫、湯沸室、トイレ
そ の 他:給食室はセンター方式、太陽光発電設備(10KW)


HOME