建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年12月号〉

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大阪市民の台所を預かる中央卸売市場東部市場の再整備が進捗

――46年ぶりに大幅リニューアル

大阪府 大阪市 大阪市中央卸売市場東部市場再整備事業

▲大阪市中央卸売市場東部市場 パース


 東部市場は、市内南東部と府下南東部の人口急増による取扱量の増大、輸送手段の大型化・高速化に伴なう市場施設の狭隘・過密に対応するため昭和39年に開設され、野菜、果実、水産物、食肉類など生鮮食料品等について、産地から計画的な集荷に努め、公正な価格形成を行い、市民・消費者に安定して供給している。
 大阪市域の南東部だけでなく、高速道路のアクセスにより、府下東南部から、府下全域、奈良県以東までを商圏としており、取扱金額で全国10位の卸売市場である。
 しかし、開場以来46年が経過し、施設の老朽化が著しく、機能的にも今日的には十分と言えないため、再整備事業に取り組むこととした。
 平成18年度に基本設計、平成19年度に実施設計を行い、平成20年10月に工事に着手した。平成23年度に完成の予定である。
 事業計画では、耐震補強等による施設の老朽化への対応とともに、今日的に必要とされる市場機能の向上を図っていく。  具体的には「効率的な物流を創出」するため、関連棟・冷蔵庫棟の縮小再配置を行うとともに、大口出荷対応施設の設置、青果卸売場棟建替えなどを行う。また、「食の安全・安心」に対応するため、低温卸売場の拡大、ごみドラムの設置など衛生環境の強化を行う。あわせて加工場の充実や買出人駐車場に大屋根を設置することにより市場利用者の利便性の向上を図り、信頼できる商品の供給を行っていく計画としている。
 工事については、青果卸売棟は全体の約1/3にあたる東側の1期工事が既に完成し本年3月から供用開始しており、2期工事を現在進めている。水産卸棟の低温化工事については、11月末には全体の約1/2が完成する見込みである。冷蔵庫棟については運営事業者も決定し、本年5月より営業開始している。関連棟については、現在工事を進めており、来年2月には完成の予定となっている。大屋根やごみドラムについても、一部が完成し既に供用を開始している。

▲大阪市中央卸売市場東部市場 整備計画図
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整備内容
新規建設:大屋根・大口出荷対応施設 約11,400u
建  替:青果卸売場棟 約11,290u、関連棟 約1,900u、冷蔵庫棟(チルド室含む)約1,670u
改  修:水産卸売場棟、関連6号棟、仲卸売場棟
撤  去:管理庁舎棟


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