建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年12月号〉

特集

道央圏“中核都市”建設へ

――経済活性化と地域ニーズに応じ住宅整備事業の推進

岩見沢市“街づくり行政”企画 ―岩見沢市都市建設部―

【寄　 　　　　稿】　岩見沢市建設部　部長　吉成　潔氏
【ズームアップ】　北海道 岩見沢市　(仮称)北1条団地
【ズームアップ】　北海道 岩見沢市　日の出台団地4号棟

▲日の出台4号棟パース

地域経済を支える社会的 公共事業は必要
駅周辺整備で中心市街地活性化をめざす

岩見沢市建設部　部長　吉成　潔氏

岩見沢の社会資本
　道央圏に位置する本市は、平成18年に隣接する旧栗沢町ならびに北村と合併し、面積が約4万8千ha、現在の人口が約9万1千人である。管理する道路は、延長にして約1千km、公園の面積は約340ha、市営住宅は約2千戸である。
　道路が長く、橋が多いのが本市の特徴であり、道路距離は、人口千人当たりにして約12kmで道内主要都市の2〜3倍にのぼる。また、橋梁は452あり、道内で4番目を数えている。

社会資本と予算
　こうした社会資本を背景に、約55億円の予算をもつ建設部の事業費の使い道は、道路の新設改良ならびに除排雪を含めた維持管理が約6割、公園の造成ならびに維持管理が約2割、市営住宅の建設ならびに維持管理などが約2割を占めている。
　また、社会的に公共事業費が削減される中にあって、本市の平成22年度工事発注額は、市全体を通して予算額にして約57億円と前年同並みを確保し、地域経済の下支えに努めている。
　さらに、本市は地域の雇用と住宅施策とを組み合わせた住宅リフォーム助成事業に平成19年度から取り組み、平成21年度までの3年間で総額20億円の工事額が助成対象になっている。

駅周辺の新しい顔づくり
　鉄道とともに発展してきた本市は、昭和62年の国鉄民営化の結果、約60haもの遊休地が発生し、その一部を市が譲り受け、中心市街地活性化事業の一環として駅前広場やホールなど市民交流施設の整備に取り組んできた。
　平成21年度に複合駅舎と駅南北を連絡する自由通路ができ、また駅北土地区画整理事業により整備された街区に、今年度から（仮称）北1条団地の建設をまちなか居住の一環として着手している。

市営住宅の建設と学校の改築
　本市は入居者の住環境の向上のため、ストック総合活用計画にもとづく市営住宅の整備に取り組んでいる。教育行政の所管である学校は、地域の防災拠点でもあることから、順次、耐震化に取り組んでいる。

▲百餅祭り

多世代が“安全・安心で支え合う”快適団地を目指す

北海道 岩見沢市　(仮称)北1条団地

▲(仮称)北1条団地パース

　(仮称)北1条団地の建設地は、駅北土地区画整理事業区域内であり、「公営住宅の再生・活用を通した安全・安心・快適生活の形成」を基本理念に、ユニバーサルデザイン化・環境共生等の視点に立ち、入居者が互いにふれあい、支え合える住戸と住棟構成としている。また、外観、配置を含めて高齢者・障がい者から子育て世帯まですべての人が快適で使いやすい住まいとして整備している。
　設計は、平成21年3月に策定された「北海道ユニバーサルデザイン公営住宅整備指針」に則り、住戸内部に段差などのバリアがなく、安全に移動ができ、入居する高齢者が介護を必要とする身体状態となっても同居家族などによる在宅での介護により、生活を継続できるように、主寝室や便所は介護に支障がない広さを確保し、住戸内や共用部分について車イスでの移動に支障がないなどとしている。また、当市の市営住宅では初めてとなる外断熱工法を採用し、建物の長寿命化、断熱性能の向上を図っている。

日の出台団地の建替事業 全4棟・150戸が完成

――全戸バリアフリーとコミュニティホールも整備

北海道 岩見沢市　日の出台団地4号棟

▲日の出台4号棟パース

　日の出台団地の建替え事業は、当初、平成15年度から平成24年度までの10年間で、6棟200戸を建設する予定でした。しかし、再入居の希望者が150世帯を下回ったため、5棟目と6棟目で予定していた50戸は、建設場所をまちなかの駅北土地区画整理事業地域内に変更した。
　日の出台団地の建替え整備状況は、1号棟のRC造7階建35戸は、平成16年度から3カ年で建設し、その後2号棟から4号棟まで平成22年度にかけて順次建設し、合計150戸を建て替えた。
　住棟の機能は、全戸をバリアフリー対応とし、1階住戸にはユニバーサルデザインを導入し、住戸内通路、児童遊園、住戸内コミュニティホールなどを整備し、ふれあいの場、冬期間歩行動線を確保している。さらに住戸は、型別供給とし2DK、2LDK、3LDKの3タイプの間取りを確保している。