建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年10月号〉

特集・寄稿

中部横断自動車道のアクセス道路整備について

長野県

●長土呂〜御影新田バイパス工事安全協議会
 会長 森泉 武夫氏(5工区 樺|花組 現場代理人)


●佐久南拡幅工事安全対策連絡協議会
 会長 河村 愼一氏(2工区 樺|花組 現場代理人)


 中部横断自動車道は、静岡県静岡市を起点に、山梨県甲斐市を経由し、長野県佐久市に至る全長約132km(うち県内約45km)の高速自動車国道。中部横断自動車道が整備されることにより、現在整備が進められている第二東名を始め、中央自動車道、上信越自動車道が接続され、日本海及び太平洋の臨海部と内陸部との連携を深め、長野・山梨県との連携・交流の促進、沿道の方々が安心して暮らせるネットワークの構築、物流体系の確立や広域的観光、地域の産業経済の振興等に寄与するものと期待されている。平成22年度末には、上信越自動車道の佐久小諸JCTから佐久南IC間の約8km(新直轄事業区間)が開通する予定。これに合わせて長野県では、ICアクセス道路となる国道141号 長土呂〜御影新田バイパス及び国道142号 佐久南拡幅の4車線化整備を実施している。



▲湧玉川橋上部工(7工区)の施工状況





国道141号 長土呂〜御影新田バイパスの4車線化整備事業について

●長土呂〜御影新田バイパス工事安全協議会
会長 森泉 武夫(5工区 樺|花組 現場代理人)

▲佐久北IC交差点付近の状況 ▲湧玉川橋上部工(7工区)の施工状況


事業概要
 一般国道141号は、山梨県韮崎市と長野県上田市を結ぶ幹線道路で、佐久地域の骨格を形成する重要路線です。佐久市長土呂〜小諸市御影新田間は、現在暫定2車線で供用していますが、沿線の開発が進み、交通量が増加したため、交通事故や慢性的な渋滞が発生しています。また、平成18年には、本路線と中部横断自動車道との交差予定箇所に佐久北IC(地域活性化IC)の設置が決定し、さらなる交通量の増加が見込まれることとなりました。このため、交通渋滞の解消と中部横断自動車道 佐久北ICへのアクセスを目的として、平成20年から同区間の4車線化整備を行っております。

工事概要
 一般国道141号の本事業区間は、平成5年に下り側車線を対面通行の暫定2車線で供用開始がされました。その後、沿線の商業化や宅地開発が進みました。今回4車線化に当たっては、上り側に新たに2車線を設ける工事を実施しますが、中央分離帯が設置されるため、民地側から車道には左折方向にしか曲がることができなくなります。このため、沿道の利便性向上を目的に、新たな交差点と出入り口の確保が必要となりました。特に商業施設の出入り口の確保や交差点の新設工事に当たっては、複数の工区が連携を図る必要があるため、工事安全協議会を設立し、交通管理や安全対策などで万全を期すよう工事に取り組んでおります。また、中部横断自動車道との交差部付近では、国土交通省や中部横断道工事連絡会の施工業者とも緊密に連絡調整を行い、佐久北ICの開通に合わせ141号の4車線化が図れるように工事を進めております。

○長土呂〜御影新田バイパス5工区 樺|花組 施工
 中部横断自動車道 佐久北ICに接続する箇所の道路築造工を施工。4車線化に伴い、排水構造物(自由勾配側溝1000型)の移設が120m余りあり、既設構造物を傷つけないように取り外し、布設替えを行いました。コストを縮減することを念頭に置いて施工をしました。

○長土呂〜御影新田バイパス6工区 樺|花組 施工
 現道上での作業で制約が多く、また大型スーパーなどの店舗もあり、特に交通管理に留意して施工。昼間の片側交互通行止めは行わず、施工順序を熟考し、車線規制を幅員減少等にし、一般交通のスムーズな運行に寄与できたものと思われます。

○長土呂〜御影新田バイパス7工区 滑p藤 施工
 4車線化に伴い、既設桁(1期線)と並行し2期線の橋梁上部工を施工。橋梁形式は2径間連続非合成鈑桁橋 6主桁 支間長44m+44m 幅員9.5m(13.5m)です。橋下作業ヤードからの施工となり、現道からの交通規制を行わず架設作業を行いますが、既設桁には十分注意をしながら作業を行います。床版工事は冬期間となり、コンクリート養生には細心の注意を払って品質管理を行い、他工区と調整を行いながら施工をしていく予定です。

○長土呂〜御影新田バイパス2工区 畑八開発梶@施工
 湧玉川橋の北側及び佐久北ICの交差点付近の舗装工を施工。工事については今後着手予定ですが、県及び国発注の複数の工区と調整を図る必要があり、また交通量の多い道路上での車線切り替えをしながらの施工となるため、安全でより良い品質の工事を早期に完成させたいと考えています。

○長土呂〜御影新田バイパス3工区 長野機材梶@施工
 佐久北ICへの誘導のための大型案内標識の設置工事を施工。工事に際しては、道路築造や舗装工事との工程調整を行うともに、通行車両の安全確保についても十分配慮し、わかりやすい案内標識の設置に心がけたいと考えています。


路線名:一般国道141号
事業区間:佐久市長土呂〜小諸市御影新田
計画概要:L=2,400m W=13.0m(25.0m) 4車線
構造規格:4種1級
設計速度:60km/h
事業期間:平成20年度〜平成23年度


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国道142号佐久南拡幅の4車線化整備事業について

●佐久南拡幅工事安全対策連絡協議会
会長 河村 愼一(2工区 樺|花組 現場代理人)

▲佐久南IC方面(3,5工区)の拡幅状況 ▲既設桁(2工区)の撤去状況 ▲橋台施工(1,2工区)状況


事業概要
 一般国道142号は、長野県北佐久郡軽井沢町から和田峠を経由し、諏訪郡下諏訪町に至る幹線道路で、佐久地域と諏訪地域を結ぶ重要路線です。本路線は中部横断自動車道 佐久南ICへの接続道路であり、平成10年に佐久小諸JCT〜佐久南IC間が事業着手されたことにより、増加する交通量に対応するため、平成11年から現道を4車線に拡幅する整備を行っております。

工事概要
 一般国道142号は、非常に交通量の多い路線(12,269台/12h・平日)です。また事業延長が長いため、複数の工区が同時期に集中して工事が進められております。このため、工区間の工程や作業ヤードの調整、公衆災害の防止、情報交換などを目的に工事安全対策連絡協議会が組織され、各工区が連携して4車線化工事を進めています。  各工区が施工方法について創意工夫をするとともに、安全対策などでは連携を図り、全線の早期完成に向け、一丸となって取り組んでいます。

○佐久南拡幅1工区 滑ロ山工務店 施工
 一級河川 片貝川に架かる新設橋のA1橋台並びに道路築造工を施工。川幅が狭く、河川の切り廻しができないため、橋台施工に当たり仮締切鋼矢板を打設する必要があったが、施工箇所の直下流には養魚場の取水口や人家があったため、施工時の水質汚濁の軽減や振動防止対策を講じながら施工しました。

○佐久南拡幅2工区 樺|花組 施工
 片貝川に架かる現橋(2車線 PC桁8本 31.9m/本)の撤去、仮設迂回路の仮橋、A2橋台並びに道路築造工を施工。当初現橋の撤去は、PC桁を160tクレーン2台で供吊りし、仮設桁上に移動した後、ワイヤーソーで切断、その場で取壊す計画であったが、4車線化の全体工程を勘案する中で現橋の撤去工程の短縮を図る必要があったため、650tクレーンにて桁を撤去、橋台背面の作業ヤードでワイヤーソーにて分割、当社の作業場で取壊し処理する方法で施工しました。

○佐久南拡幅3工区 木下建工梶@施工
 全工区の起点側の道路築造工を施工。工事区間の始まりの工区として、一般車両や歩行者への安全管理を重点目標に、工事中の車線の切り替えや2車線から4車線へすり付けなど、接続工区との連携・調整を図りながら施工しています。

○佐久南拡幅5工区 活タ田組 施工
 3工区と接続した箇所の道路築造工を施工。付替え排水路の施工に当たっては、この夏に頻発したゲリラ豪雨に対応するため、災害防止に留意した流末処理を検討、施工しました。


路線名:一般国道142号
事業区間:佐久市跡部〜佐久市伴野
計画概要:L=3,650m W=14.0m(28.0m)  4車線
構造規格:3種2級
設計速度:60km/h
事業期間:平成11年度〜平成23年度

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