建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年9月号〉

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騒音解消・耐震改修で安全・安心な学び舎建築に着手

――標茶町が3小中学校の改築事業

北海道 標茶町


標茶小学校(校舎)防音事業改築工事

▲標茶小学校 外観パース


 標茶小学校は、本町の川西地区で、アイヌ語の「シベチャ」が語源「大きな川のほとり」である釧路川沿いに位置している。
 古くは、明治19年に「標茶簡易小学校」として設置され、昭和25年に現在地に移転された後、昭和42年からの3期工事で現在の校舎が建設された。
 その後、隣接する矢臼別演習場における榴弾砲や戦車砲等の実射訓練の際に生じる発射音、炸裂音による騒音障害で教育活動に支障を来たしていることもあり、平成18年から学校施設全体の防音対策を進める中で、平成19年度に現校舎の前面に講堂を改築し、既存体育館を解体後、今年度から校舎の改築工事に着手することになった。
 改築校舎は、既存校舎と同規模の3階建てで、防音サッシや内装の防音仕様を基本に、外断熱工法の採用による室内の温度差の解消や空調設備により防音を含めた室内環境の向上を図る。また、障がい者への配慮としてエレベーターは基より、多目的便所にオストメイトを設置している。
 改築校舎の完成は、平成23年2月末予定で新年度からの授業スタートを目指し、その後、既存校舎の解体と既存講堂への渡り廊下での接続を平成24年1月までの工期で計画している。

標茶小学校(校舎)防音事業改築工事概要
建設場所:川上郡標茶町川上1丁目24.24-2〜5.25.26.27.28.29
敷地面積:21,053u
工事期間:平成21年9月24日〜平成24年1月30日
構造:鉄筋コンクリート造 3階建
延床面積:約 4307.70 u
     A工区 約 2,221.65 u
     B工区約 2,086.05 u



虹別中学校(校舎)改築工事

▲虹別中学校 パース


 虹別中学校は、本町の北約23kmの総面積約18,500haの大酪農郷地区で、人口約800人、世帯数約300戸の中心市街地に位置している。
 昭和22年に「新制中学校」として虹別小学校に付設され、昭和23年に独立校舎を完成した後、昭和39年からの2期工事で現在の校舎が建設され、平成2年からの3箇年で大規模改修工事を行い現在に至る。
 その後、国の耐震改修促進法の制定により、平成18年度に学校施設の耐震診断を実施、平成20年度策定の「標茶町耐震改修促進計画」による優先的に耐震化すべき公共建築物として、虹別中学校の耐震改修に着手した。現校舎は、プレキャストコンクリート造一部2階建てで、耐震診断・改修設計に於いて有効な補強方法が無く改築することになった。
 改築にあたり、近年の町内学校施設の整備を、本町市街地以外の小規模学校については、平屋の木造校舎で建設していることから、虹別中学校も既存校舎と同規模の木造平屋建てとし、カラマツ集成材による木質2方向ラーメン構造に内外装にも木質を多く使用している。

虹別中学校(校舎)改築工事概要
建設場所:川上郡標茶町虹別原野67線103-4
敷地面積:約 24,505.00 u
工事期間:平成22年6月21日〜平成23年2月15日
構  造:木造平屋建
延床面積:約 1,514.51 u


塘路小中学校耐震改修・校舎改築工事

▲塘路小中学校 パース


 塘路小中学校は、本町の南約20kmで釧路湿原国立公園北部の湿原最大の湖である塘路湖を眼下に、人口約300人、世帯数約160戸の市街地に位置している。
 明治27年に「私立組合学校」として創立された後、昭和19年に現位置に移転新築し昭和22年に中学校が併設された。39年と41年に木造校舎を増築後、昭和46年に一部を残し現校舎である鉄骨2階建で改築、52年には屋体を改築し現在に至る。
 その後、国の耐震改修促進法の制定により、平成18年度に学校施設の耐震診断を実施、平成20年度策定の「標茶町耐震改修促進計画」による優先的に耐震化すべき公共建築物として、塘路小中学校の耐震改修に着手した。現校舎は、鉄骨造一部鉄筋コンクリート造2階建と木造平屋建、屋体が鉄骨造平屋建となっている。耐震診断・改修設計に於いて校舎及び屋体の鉄骨造部については耐震補強を行いながら、鉄筋コンクリート造部と併せて改造する。また、木造校舎については、昭和39年建設で築後46年経過し老朽化が著しく、改築することになった。
 耐震改修・改築にあたり、教室の配置転換を行い旧木造校舎の特別教室に変わり、改築木造校舎には小学校の普通教室を配置しながらオープン教室を可能とした。また、釧路湿原に立地していることから、地域環境に配慮すべく町内で最初の太陽光発電も計画し、10KWの容量で改築木造校舎等の電灯使用料を低減しながら、学習教材としてのモニターも設置している。

塘路小中学校耐震改修・校舎改築工事
建設場所:川上郡標茶町塘路8番地1
敷地面積:約 15,952.00 u
工事期間:平成22年6月21日〜平成23年2月15日
塘路小中学校校舎耐震改修工事
構造:鉄骨造 一部 鉄筋コンクリート造 2階建
延床面積:約 996.60 u
塘路小中学校屋内体育館耐震改修工事
構  造:鉄骨造 平屋建
延床面積:約 541.40 u
塘路小中学校校舎改築工事
構  造:木造 平屋建
延床面積:約 325.39 u


標茶町・学校施設建設事業に貢献します
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