建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年8月号〉

寄稿

函館開発建設部 一般国道278号新豊崎トンネル

―― 昆布の名産地・旧南茅部町で施工

● 一般国道278号 函館市 新豊崎トンネル工事
松本・伊藤・田中 特定建設工事共同企業体 現場代理人 鈴木 浩史

 私たちは、一般国道278号のバイパス事業である函館市内の新豊崎トンネルの施工を担当しています。この路線は函館市を起点に鹿部町を経由し、森町に至る幹線道路ですが、途中の尾札部道路と呼ばれる14.8q区間の現道部は、線形不良、狭少幅員などによる交通隘路区間であることから、道路交通の安全性・確実性の向上を図るため、函館開発建設部八雲道路事務所により整備が行われています。
 私たちが施工しているのはその一部で、函館市豊崎町内に計画された538mの新トンネルです。このトンネルはNATM工法で施工しています。NATM工法はオーストリアで開発された工法で、掘削箇所にコンクリートを吹き付け、それをロックボルトで岩盤と一体化させて定着させる工法です。
 工事はこの3月から着手し、6月からいよいよ本体掘削に取りかかりました。6月末で40mに到達しており、順調に進んでいます。
 このトンネルの所在地は、現在は函館市となりましたが、町村合併以前はかつて昆布の名産地であった旧南茅部町でした。また、大規模な竪穴式住居の集落が発掘された大船遺跡もあり、函館市臼尻町で整備中の縄文文化センターは、道の駅になる予定です。したがって、このトンネルによる交通の円滑化が実現することで、地域名産の物流や地元への観光振興など、地域の発展に貢献できることを期待しています。

▲終点側坑口全景 ▲掘削状況

工事名:一般国道278号 函館市 新豊崎トンネル工事
道路規格:第3種第2級
設計速度:V=60km/h
交通方向:対面2車線
縦断勾配:1.2%
平面線形:直線
トンネル延長:538m
内空断面積:76.5u
道路幅員:11.25m(0.75+0.50+3.25+3.25+0.50+3.00)


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