建設グラフインターネットダイジェスト
〈建設グラフ2010年7月号〉
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区部産業支援拠点となる東京都立産業技術研究センターの新本部を整備
――中小企業の国際競争力強化を多角的にバックアップ
東京都 東京都立産業技術研究センター(仮称)
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▲東京都立産業技術研究センター(仮称) 完成予想図 |
東京都江東区で、区部の産業支援拠点施設となる地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター新本部の建設が進められている。
近年は下請系列システムが崩壊し、経済のグローバル化による市場競争の激化など中小企業を取り巻く経営環境が大きく変化しており、技術の高度化、多様化も進んでいる。そのため、都内の中小企業が将来にわたって発展していくには、自らの技術を高度化し、スピーディーな製品・サービスの開発や技術的課題の解決を実現していくことが求められている。
そこで、東京都立産業技術研究センター(北区西が丘本部のほか都内に6支所)において、広範な技術分野の相談、依頼試験、機器の開放、研究開発、セミナーなどの技術支援事業を実施し、中小企業のイノベーションを支援してきた。
しかし、西が丘本部及び駒沢、八王子支所では施設の老朽化が進み、今後、中小企業の新たな支援ニーズに十分応えていくことができない状況となっている。
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このため、この2月に多摩及び八王子支所の機能を統合し、昭島市に多摩地域の新たな産業支援拠点の一翼を担う多摩テクノプラザを開設した。また、23年度には区部の産業支援拠点として臨海副都心に西が丘本部の機能を再編整備するとともに、駒沢支所の機能を見直して統合することで、効率的な支援体制を構築する。
計画では、従来の支援に加え都内中小企業の高度で多様なニーズに対応できる技術支援機能を確保し、中小企業が高付加価値製品の開発を行えるよう先端技術支援やデザイン支援を進める。また、分析技術、表面処理技術などの基盤的技術への支援を強化することにしている。
機能の具体例としては、高度先端技術センターとして、中小企業の先端技術分野への進出や、高付加価値製品の開発を支援する。トータルシステムデザインセンターとして、製品の企画から設計、試作、完成品の評価までのトータルな開発を支援するほか、製品の高付加価値化、差別化を実現するため、デザイン支援も充実させる。
また、製品開発支援ラボとして新製品、新技術開発に挑戦する中小企業やベンチャー企業に24時間利用可能な研究実験スペースを提供する。産学交流センターとして、大学や研究機関等との連携による研究・製品開発を支援する。さらに、異業種交流グループの活動を支援する。
基盤的技術への支援も行う予定で、先端技術分野等を支える基盤技術の技術力の維持向上を支援する。最新の評価機器を使って製品開発を支援する。また国際的に通用する評価事業の実施により、中小企業の海外展開を支援する方針だ。
工事概要 |
立地場所:東京都江東区青海二丁目37(臨海副都心 青海A地区) |
敷地面積:14,519.35u |
建 物:本体建屋 地上5階・搭屋1階 |
延床面積:33,129.80u |
強化する主な支援機能 |
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