建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年6月号〉

寄稿

観光資源・農水産業の活性化と幹線ネットワーク形成を促進

上川総合振興局 副局長 村口 明

村口 明 むらぐち・あきら
昭和27年6月29日生まれ 青森県むつ市出身
昭和46年3月 北海道札幌南高等学校卒業
昭和53年3月 北海道大学工学部卒業
昭和53年4月 北海道庁入庁
平成10年4月 北海道函館土木現業所道路建設課長
平成12年4月 北海道札幌土木現業所道路建設課長
平成13年4月 北海道建設部道路整備課長補佐
平成15年6月 北海道建設部道路整備課主幹
平成16年4月 北海道室蘭土木現業所洞爺出張所長
平成17年4月 北海道室蘭土木現業所事業部長
平成19年6月 北海道建設部まちづくり局都市環境課長
平成21年4月 旭川土木現業所長
平成22年4月 現職



はじめに
 旭川建設管理部における平成22年度事業当初予算(道州制地域連携モデル事業を除き、単独事業を含む)は、170億3千6百万円となりました。
 このうち、公共事業については、道路事業と街路事業の合計で80億7百万円、治水事業は、48億7千5百万円、また、単独事業については、道路・河川・砂防事業を合わせ41億5千4百万円となっています。
 事業の実施にあたっては、国や市町村、地域の皆様と連携をとりながら、地域の意向や特性を踏まえるとともに、北海道の厳しい財政状況を鑑み、より一層の「選択と集中」の観点に立ち、地域の方々の安全で安心な暮らしを支えるとともに、大雪山国立公園に代表されるこの上川の観光資源を活かした社会資本整備を着実に行って参ります。

▲3・3・15永隆橋通 交付金工事(宮前工区) ▲鷹栖東鷹栖比布線 交付金(交安)工事(比布工区)


道路・街路事業
 地域の発展の基盤となる幹線ネットワークの形成に向け、観光、農林水産業の活性化や圏域間交流の促進のため、高規格幹線道路と一体となった幹線道路ネットワークの整備を実施しており、旭川十勝道路の一部として整備する地域高規格道路「旭川東神楽道路(鷹栖東神楽線)」の環境アセスメント手続きを進めます。
 少子・高齢化、人口減少など時代の潮流に対応しうる、持続可能で活力ある地域社会の形成に向け、地域の中核都市の再生を図るための基盤整備として、北彩都あさひかわ(旭川駅周辺整備事業)の関連事業である(仮称)新永隆橋の新設などの整備を推進します。
 都市交通の円滑化を図るため、環状・放射道路の整備として鷹栖東神楽線の事業を推進し、渋滞対策として3・3・7旭町通や3・3・8金星橋通の事業を推進します。
 中心市街地の活性化などのまちづくり支援事業として、3・3・8東2丁目通(立体交差・上川町)などの整備を推進します。  ユニバーサルデザインの視点に立ち、冬期も踏まえたバリアフリー施策の推進のため、歩行空間のバリアフリー化として風連市街地における朱鞠内風連線、富良野市街地における東山富良野停車場線などの整備を推進します。
 都市と農山漁村の交流・共生を促進するネットワークの形成に向け、地域連携強化事業として愛別当麻旭川線、鷹栖東鷹栖比布線、旭川幌加内線などの整備を推進するとともに、農産物などの地域内物流ルートの整備ため、農産物の出荷ルートの整備として鷹栖東鷹栖比布線、天人峡美瑛線(美進橋、橋梁補修)の整備を推進します。
 安全・安心が確保された地域社会の形成に向け、災害に強く安全性の高い道路整備として、耐震対策として旭名寄線(跨線橋耐震補強)、下川雄武線(奥サンル橋耐震補強ほか)などの整備を推進します。
 冬期における安全で快適な道路交通の確保のため、吹溜り発生箇所の整備として士別滝の上線(吹溜り)、雪崩対策として下川愛別線などの整備を推進します。また、冬期交通不能区間の解消のために鷹栖江丹別線の整備を推進します。  交通事故対策の推進のため、自歩道の整備として東川東神楽旭川線、温根別剣淵停車場線、踏切の構造改良として石勝高原幾寅線、鷹栖東鷹栖比布線などで事業を推進します。
 適切な維持更新による交通機能の確保を図るため、橋梁関係では、天人峡美瑛線(美進橋補修)、旭川幌加内線(上江丹別橋補修)などで工事を行います。また、ロードヒーティング補修工事を旭川停車場線、鷹栖東神楽線で行います。
 豊かな自然を生かした観光立国の実現に向けて、広域観光ルートの整備として愛別当麻旭川線(当麻町市街地)、上富良野旭中富良野線の整備を、アクセスルートの整備として朱鞠内風連線(朱鞠内湖)、奈江富良野線(富田ファームなど)、吹上上富良野線(十勝岳温泉)、麓郷山部停車場線(麓郷の森)などの整備を推進します。

▲奈江富良野線 交付金(交安)工事


河川事業
 洪水から地域住民の人命や財産を守る安全性の高い治水対策として、地域の浸水被害を防止し安全性を高めるため、牛朱別川(旭川市外)・ポン川(旭川市・東神楽町)・雨紛川(旭川市)・雨竜川(幌加内町)・比布川(比布町)・富良野川(富良野市外)・剣淵川(剣淵町外)・豊栄川(名寄市)などで事業を推進します。
 自然環境の保全を図り、水と緑豊かな「生きている川づくり」として、生物の良好な生息環境を保全・創出するための川づくりや、周辺の景観や地域整備と一体となった河川整備を推進します。

▲富良野川砂防工事3号ダム(国債)


砂防事業
 十勝岳周辺地域における土砂災害防止施設の整備と監視観測体制の確立のため、土石流や十勝岳噴火に伴う火山泥流対策として富良野川の3号砂防えん堤嵩上げ、布部川、ヌッカクシ富良野川などにおける砂防工事を推進します。
 十勝岳の噴火警戒避難に資するため、「十勝岳火山噴火警戒避難対策事業」により、火山噴火に伴う泥流からの減災を図るため、監視機器等の整備を推進します。
 土石流などから地域住民の人命や財産を守る砂防設備として、渓流の保全を図り下流域を土石流などから守るため、八幡の沢川(名寄市)・温根別小学校裏の沢川(士別市)などで整備を推進します。
 がけ崩れによる人命や家屋などの施設への被害を抑止するため、旭川神岡3において急傾斜地崩壊対策事業を推進します。




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