建設グラフインターネットダイジェスト
〈建設グラフ2010年5月号〉
寄稿シリーズ 現場代理人の目
建設現場の最前線から 〜 稚内土木現業所
稚内土木現業所
●雄忠志内川砂防工事1工区 株式会社 中田組 現場代理人 石川 拓郎氏
●目梨泊漁港地域水産物供給基盤整備工事 安田・富田・渡辺 特定建設工事共同企業体 現場代理人 豊村 仁氏
●豊富浜頓別線交付金(雪)工事(堆雪幅確保) 錦産業 株式会社 現場代理人 野田 真澄氏
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| ▲雄忠志内川砂防工事1工区 鋼製スリット施工 |
建設現場は現場代理人をトップに、多くの作業員、重機オペレーターらが、専門的知識と技能をフルに発揮する技術者たちの晴れ舞台でもある。だが、現場は常に平坦な場所とは限らず、寒風吹き荒れる野ざらしの現場や、目のくらむ高所や陽光の届かない地下、坑内の場合もあり、危険も伴うために一般者が立ち入ることは出来ない聖域だ。そうした人目から隔離された建設現場の様子を、最前線で陣頭指揮にあたる現場代理人の寄稿を通じて紹介する。
雄忠志内川砂防工事1工区
雄忠志内川砂防工事1工区 株式会社 中田組 現場代理人 石川 拓郎氏
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| ▲鋼製スリット施工 |
▲鋼製スリット全景 |
私達は、利尻富士町雄忠志内川砂防工事1工区を担当し、工事施工に携わって参りました。
この雄忠志内川上流域には、利尻山山腹の大規模崩落地があり、恒常的な土砂生産で下流域に扇状地が形成されています。過去度々河道部から多量の土砂が海岸部に流出し海産資源・集落等に多大な被害を与えてきました。
そのため、既存の砂防堰堤をスリット化することにより土砂捕捉機能の向上を図り、土砂災害から人家公共施設及び海産資源を保全することを目的としています。
施工期間・箇所は冬期間・山間部ということもあり、非常に厳しい作業環境ではありましたが、工事完成により、こうした土砂災害の防止を目的とする機能が十分に得られることを期待して、これからも地域の発展に貢献して参ります。
| 工事概要 |
| 42号床固工改良:N=1基 |
| 砂防土工:1式 |
| 鋼製スリットダム工 |
| 本堰堤工 コンクリート:986m3 |
| 鋼製スリットT型:23t |
| 護床工・護岸工:1式 |
| 法面工:1式 |
| 工場製作工:1式 |
| 構造物撤去工:1式 |
| 仮設工:1式 |
| 工期:平成21年9月9日〜平成22年3月29日 |
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目梨泊漁港地域水産物供給基盤整備工事
目梨泊漁港地域水産物供給基盤整備工事 安田・富田・渡辺 特定建設工事共同企業体 現場代理人 豊村 仁氏
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| ▲水中コンクリート打設状況 |
▲50t消波ブロック据付状況 |
私は、道北の枝幸町で目梨泊漁港地域水産物供給基盤整備工事を行っていました。
現在の漁港は、北向きや北東方向からの波浪が港内に侵入する構造のため、漁港内の静穏性向上を図る目的で、既設の外防波堤を延長する工事を行いました。
施工個所の現地盤最大水深が-12mと水深が深いために、本体構造は基礎捨石を施工し、場所打ち式本体工(2段打ち)、上部工、胸壁工を施工しました。近隣ではあまり使用していない大型の消波ブロック(50t)を使用してます。
本漁港では枝幸町の主要水産物であるホタテ貝や鮭等が水揚げされており、港内の静穏性向上により船体動揺を低減させることで、漁獲物の陸揚げ作業時の安全性が向上すると共に、防災機能強化により悪天候時に船舶が安全に停泊できる漁港となるよう整備を図っております。
| 工事概要:外防波堤L=20.0m |
| 基礎工 L=20.0m |
| 場所打ち式本体工 L=20.0m |
| 被覆・根固め工 1式 |
| 上部工 L=20.0m |
| 消波工 L=20.0m |
| 付属工 1式 |
| 工期:平成21年5月27日〜平成22年2月22日 |
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2009年度 稚内土木現業所優秀現場代理人対象者現場
豊富浜頓別線交付金(雪)工事(堆雪幅確保)
豊富浜頓別線交付金(雪)工事(堆雪幅確保) 錦産業 株式会社 現場代理人 野田 真澄氏
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| ▲仮設道路横断仮排水路 |
当工事は、天塩郡豊富町とオホーツクの浜頓別町を結ぶ道々の改良工事の前章で、サーチャージ盛土を行う事により、軟弱地盤の沈下を最大にして地盤を落ち着かせ、今後の拡幅改良工事を支障無く施工し、完成後には沈下、支障の無い道路を造るための目的工事であります。
交通量はさほど多くはありませんが、道北では数少ない横断道路で物流産業道路として重要な位置付けがされる路線であり、早期完成が望まれる路線であると思います。
施工順序としてはサーチャージ盛土を行うための盛土法止めに布団篭を設置し、サンドマットを敷設。その上にサーチャージ盛土を行いました。
サーチャージ盛土のため、盛土期間が限定され、工事遅滞の恐れも考えられるので、盛土実施の予定は工程管理を十分行い施工を行いました。
また施工中は車両を通行させつつの片側交互通行でしたので、一般車両と重機との接触事故等起こさないよう特に安全管理に気を配りながら施工を行い、無事故無災害にて工事竣工を迎えることが出来ました。
| 工事概要 |
| サーチャージ1次盛土 L=310m |
| サーチャージ2次盛土 L=136.7m |
| [道路土工] |
| 土砂掘削:V=575m3 |
| 路体盛土工:V=2,961m3 |
| 路床盛土工:V=3,270m3 |
| 整形仕上げ工:A=290u |
| [地盤改良工] |
| サンドマット工:A= 925u |
| [法面工] |
| 張芝:A=370u |
| ふとんかご:L=655m |
| [仮設工] |
| 仮設道路工:L=143.4m |
| [共通仮設費] |
| 沈下板設置費:N=6基 |
| 沈下板観測費:N=6箇所 |
| 工期:平成20年8月13日〜平成21年1月30日 |
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