建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年4月号〉

寄稿シリーズ 現場代理人の目

建設現場の最前線から
〜稚内土木現業所・釧路土木現業所・留萌土木現業所編






 建設現場は現場代理人をトップに、多くの作業員、重機オペレーターらが、専門的知識と技能をフルに発揮する技術者たちの晴れ舞台でもある。だが、現場は常に平坦な場所とは限らず、寒風吹き荒れる野ざらしの現場や、目のくらむ高所や陽光の届かない地下、坑内の場合もあり、危険も伴うために一般者が立ち入ることは出来ない聖域だ。そうした人目から隔離された建設現場の様子を、最前線で陣頭指揮にあたる現場代理人の寄稿を通じて紹介する。

稚内土木現業所


●浜中西上泊線 道路改良工事(代行)その2 藤・丹羽・荒井 特定建設工事共同企業体 現場代理人 藤田 卓氏
●アフトロマナイ川砂防工事1工区 株式会社 富田組 現場代理人 岡部 伸一氏
●勇知上勇知線特改1種工事(補正) 佐藤組・北英 経常建設共同企業体 現場代理人 武田 省悟氏
●歌登咲来停車場線交通安全施設工事(視距改良) 田中建設株式会社 現場代理人 鈴木 武氏
●枝幸音威子府線交付金(改築)工事外2工区 株式会社 寺沢組 現場代理人 関山 勉氏
●知来別漁港 地域水産物供給基盤整備工事2工区 株式会社 ササキ 現場代理人 橋本 淳氏
●大空川砂防工事(補正)外 共成・タカハタ 経常建設共同企業体 現場代理人 堀口 良幸氏
●稚内猿払線交付金(改築)工事その1 山本・長谷川・高木 経常建設共同企業体 現場代理人 今田 久夫氏
●クサンル川改修工事 石塚建設興業株式会社 現場代理人 玉田 稚明氏
●元地香深線災害防除工事 早坂・北武・錦 経常建設共同企業体 現場代理人 葛西 智和氏


釧路土木現業所


●伊茶仁海岸侵食対策工事1工区 佐藤・三ツ輪 経常建設共同企業体 現場代理人 阿部 良明氏
●根室浜松 急傾斜地崩壊防止工事 真壁建設株式会社 現場代理人 高岡 洋二氏
●釧路鶴居弟子屈線 交安1種(統合)工事(中央帯)(幌呂原野地区)
    沢田・村井・豊松吉 経常建設共同企業体 現場代理人 小幡 哲也氏


留萌土木現業所


●(200)名寄遠別線 改築工事(上部工) 堀松建設工業株式会社 現場代理人 野崎 義人氏
●豊富遠別線局改工事(防雪柵)2工区 石山・豊松吉 経常建設共同企業体 現場代理人 瀬尾 優氏







浜中西上泊線 道路改良工事(代行)その2

浜中西上泊線 道路改良工事(代行)その2
藤・丹羽・荒井 特定建設工事共同企業体 現場代理人 藤田 卓氏




▲切土、排水、アンカー施工 ▲L型擁壁 施工


 当工事は、町道浜中西上泊線の歩行者及び、交通車両の安全で円滑な交通環境の確保を目的とする道路改良工事です。現場は礼文島の観光スポットである澄海岬までの観光道路であり、また施工箇所に隣接する沢には日本ザリガニが生息しており、交通規制及び、自然環境への配慮に心がけて施工しております。
現場はL型擁壁180m、ロックボルト・クモの巣ネット(1次)を施工後、現道をスライドさせ旧道を掘削、法面2次施工という流れの工程です。工程的にも非常に厳しくまた、気象条件も風速10m/s以上の北西風が多い場所で施工しております。
 工事も残り少なく企業体職員、協力会社全員で工事完成に向けて日々努力しております。

工事概要
工  期: 平成21年5月20日〜平成22年3月23日
施工場所:礼文郡礼文町船泊字西上泊
改良工事
 工事延長:L=380m
 道路土工:総切土 V=7,440m3
 法 面 工:すきとり法覆基材 A=236u
擁壁工
 工事延長:L=176.5m
 掘 削 工:V=5,380m3
 L 型擁壁:V=760m3
法面工
 工事延長:L=280m
 法面工(1次施工):高強度ネット A=1,280u 鉄筋挿入 N=592本
 法面工(2次施工):高強度ネット A=2,520u 鉄筋挿入 N=1,280本







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アフトロマナイ川砂防工事1工区

アフトロマナイ川砂防工事1工区
株式会社 富田組 現場代理人 岡部 伸一氏


▲腹付けコン打設 ▲防寒囲い


 私たちは、アフトロマナイ川砂防工事1工区を担当しています。このアフトロマナイ川は、平成元年と2年の集中豪雨で土石流が発生し、利尻島の東部で甚大な漁業被害が発生しました。記録によると、当時の雨量は317mm/日で、利尻富士町を含めた被害総額は1億円に上り、島の経済は大きな打撃を受けました。
 このため、平成5年に本格的な砂防工事に着手されました。計画では6基の導流堤と17基の床固め工を、24年度までに完成させることになっています。私たちが施工しているのは、すでに完成している1号導流堤の改良工事ですが、これは18年と19年に発生したゲリラ豪雨により、再び土石流が発生したためで、幸いにしてこの導流堤のお陰で被害は生じなかったものの、近年の異常気象に対する備えを万全とし、島の重要な基幹産業である漁業を護るため、さらに嵩上げによって安全度を高めようというものです。
 地域経済を護るため、私たちは設計に忠実に施工し、計画目的とする効果が十分に得られることを期して、施工に臨んでいます。


工事概要
1号導流堤改良工(SP366.54)
コンクリートダム工(本えん堤工):L=371m、V=2,880m3
 右岸 L=221m、V=1,901m3
 左岸 L=150m、V=979m3
掘削工(作業土工) V=1,120m3
構造物撤去工(コンクリートはつり) V=1,592u







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勇知上勇知線特改1種工事(補正)

勇知上勇知線特改1種工事(補正)
佐藤組・北英 経常建設共同企業体 現場代理人 武田 省悟氏


武田 省悟 たけだ・しょうご
昭和39年9月21日生まれ
昭和58年3月 北海道立稚内商工高等学校 卒業
平成 2年4月 株式会社 佐藤組 入社
平成16年8月 豊富浜頓別線 凍雪害防止工事
平成17年7月 美深中頓別線交付金(改築)工事2工区外
平成18年1月 頓別川広域(基幹)河川改修工事(栄和地区)5工区
平成19年8月 又留内海岸 津波高潮危機管理対策緊急工事
平成20年8月 稚内港改修その2工事
免許・資格
平成 9年3月 1級土木施工管理技士
平成13年1月 2級造園施工管理技士
平成19年3月 1級建築施工管理技士
平成19年6月 監理技術者資格者証
平成19年6月 監理技術者講習終了証
平成20年3月 1級管工事施工管理技士


 当工事は国道40号と利尻・礼文・サロベツ国立公園に接する道道稚内天塩線をつなぐ道道勇知上勇知線の軟弱地盤改良工事です。
 工事区間の地質は全般に軟弱です。このため、深層混合処理工法として軟弱地盤にセメント系固化剤を噴射・撹拌し地中にパイルを成形し路面の不同沈下を抑制するDJM工法にて施工をおこないました。
 主な工事内容は、本線L側に仮設道路を設け、掘削床付後サンドマット敷設上に敷鉄板により施行ルートを確保し大型改良機によりφ1000 L=11.0m 〜 12.0m の改良柱1171本を作成します。
 施工中の一番の難関は本線掘削中発見した、過去に(30年以上前)布設したソダ巻き梯子胴木の(延長50m、幅15m 一部2段)確認・撤去後の地盤処理でしたが、発注者のご指導により梯子胴木完全撤去と良質土置換にて無事DJM工施工が可能となり、地域住民の心待ちしている基幹道路の工事完成を目指します。


工事概要
工事延長L=135m
掘削工1,710m3
地盤改良工
サンドマット工1,990u
DJM工法(φ1000 L=11.0m〜12.0m)1,171本
仮設道路L=467m W=6.5m
防護施設工1式
構造物撤去工1式
工期:平成21年9月9日〜平成22年3月10日







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歌登咲来停車場線交通安全施設工事(視距改良)

歌登咲来停車場線交通安全施設工事(視距改良)
田中建設株式会社 現場代理人 鈴木 武氏


▲P1橋脚施工


 私達は枝幸町歌登にて、歌登咲来停車場線交通安全施設工事(視距改良)の施工に取り組んでいます。
 本事業は、救急車両の枝幸管内から高度医療設備の整った病院への搬送時間の短縮化、及び一般車両の安全確保を目的とし、現道の拡幅・緩曲化と新路線の施工、それに伴う広幅員の橋梁の新設を、本年度から3年計画で進めています。
 自分自身、枝幸町に在住している事もあり、本路線を使用する事も多く、現状において急カ−ブでの逸脱事故、橋梁部においては大型車輌同士の接触事故も目撃しています。又、救急車両の搬送時間短縮化の要望も聞く機会も多く、この事業に携わる事の重要さを念頭に置き、本工事の施工計画を立てました。
 又、施工に当たり地域の方々から沢山の応援の言葉を頂き、この期待に添えるよう現場スタッフが一丸となり施工計画を実現できるよう着実な施工を心がけています。


施工概要
工期:平成21年7月8日〜平成22年3月1日
本工事01(道路工)
 工事延長:L=980m
 幅員:W=6.0m
本工事02(橋梁工)
 本幌別橋:L=49.4m
 P1橋脚:H=7.9m(直接基礎)







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枝幸音威子府線交付金(改築)工事外2工区

枝幸音威子府線交付金(改築)工事外2工区
株式会社 寺沢組 現場代理人 関山 勉氏


▲既設舗装の取壊し・撤去 ▲粗粒度アスコン二次転圧


 当工事は、道々12号線枝幸町・歌登を結ぶ枝幸音威子府線交付金(改築)工事です。当社は平成18年度より、トンネル前後の歌登側より道路工事施工に携わって参りました。
 工事区間に農家が近接しているため、岩盤掘削、ダンプトラック、重機施工に関しては、騒音・振動対策に力を注ぎ施工に工夫を重ねて参りました。
 当工事の主体は、路盤工、舗装工、プレキャストボックスカルバ−ト工です。
 最終年度の工事に当たり、迂回路を設け旧道のボックスカルバ−ト及び既設舗装の取壊し、撤去等が含まれ、施工には大割機(クラッシャ−)等を使用するので、騒音・振動測定管理により環境の保全にも努めました。トンネル・道路の完成により交通障害の妨害も減少し、安心・安全が確保され、地域経済の活性化の重要な役割を果たせたと思います。  これからも土木工事を通じて、地域の発展に貢献すべく努力して参ります。


工事概要
工事延長:L=670m
土砂掘削:V=1,700m3
プレキャストボックスカルバート工:
  断面(B1.0×H1.0) L=25m
  断面(B2.0×H1.6) L=15.5m
側溝工:L=227m
路盤工:A=5,300u
舗装工:A=7,888u
歩道工:A=424u
取壊工:一式
縁石工:L=1,402m







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知来別漁港 地域水産物供給基盤整備工事2工区

知来別漁港 地域水産物供給基盤整備工事2工区
株式会社 ササキ 現場代理人 橋本 淳氏


▲水中コンクリートの型枠設置状況 ▲上部コンクリートの型枠設置状況


 私たちは知来別漁港 地域水産物供給基盤整備工事2工区を担当しております。
 この工事は、猿払村の基盤産業であるホタテ漁の水揚げ漁港のひとつ知来別漁港護岸新設工事であり、近年漁船の大型化による漁港拡張工事でもあります。
 11月末までは、ホタテ漁が盛んに行われているので、起重機船の入出港時には特に漁船の出入りが無いか安全の確認を行ってからの作業となりましたが、地元漁業者の協力もあり、安全に進行しております。
 漁港を利用する漁業者が安心して使用できる漁港になるよう、確実な施工に邁進しています。

 
工事概要
工期:平成21年9月30日〜平成22年3月23日
施工場所:宗谷郡猿払村知来別
施工延長:北護岸(新設) L=27.50m
 場所打式本体工 水中コンクリート L=27.50m
 上部工 上部コンクリート L=27.50m
 消波工 消波ブロック製作6t型  284個
     消波ブロック据付6t型(水中部) 128個
     消波ブロック据付6t型(陸上部) 37個
     消波ブロック仮置6t型(水中部) 92個
     消波ブロック仮置6t型(陸上部) 27個







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大空川砂防工事(補正)外

大空川砂防工事(補正)外
共成・タカハタ 経常建設共同企業体 現場代理人 堀口 良幸氏


堀口 良幸 ほりぐち・よしゆき
昭和50年 3月15日生まれ
平成 7年 3月 札幌理工学院専門学校 卒業
平成13年 4月 株式会社共成建設 入社
平成17年 3月 一般国道238号稚内市声問改良工事
平成19年 4月 一般国道40号稚内市クトネベツ改良工事
平成20年10月 一般国道40号豊富町新生改良工事
資格
平成16年 2月 1級土木施工管理技士
平成21年 3月 監理技術者資格者証交付

▲上流側から ▲下流側から


 当現場は、利尻町の西側、沓形字長浜大空川で稚内土木現業所発注の砂防工事を施工しています。平成20年度より施工を開始し、平成23年度の完了を目指して、今年度で2年目の中間年を迎え、工期は平成21年9月30日〜平成22年3月23日となっています。
 既存のえん堤を嵩上げする工事を主体とし、完成時には堤長L=87.9m 堤高H=12.0mの砂防となります。
 また下流にある漁場では、全国的に有名な利尻昆布の養殖場があり、土砂流出による漁業被害及び民家への被害から守ることが工事の最終目的であり、砂防の役割と認識しています。
 本工事も終盤を迎え、現場周辺の民家の方々や付近を通行する一般車両にご迷惑をお掛けしますが、残りの工事完成まで無事故無災害の施工と、自然豊かな利尻町の環境に配慮した施工を進めていきたいと思います。

工事概要
工期:平成21年9月30日〜平成22年3月23日
砂防土工:660m3 
本堰堤工:1869m3
雪寒施設工:一式
コンクリートブロック工:213u
付属物設置工:一式
構造物取り壊し工:一式
仮設工:一式







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稚内猿払線交付金(改築)工事その1

稚内猿払線交付金(改築)工事その1
山本・長谷川・高木 経常建設共同企業体 現場代理人 今田 久夫氏


▲下部全景 ▲桁架設


 稚内猿払線は、稚内市大字宗谷村字増幌から宗谷丘陵と呼ばれている比較的ゆるやかで起伏の多い丘陵地帯を横断し、オホーツク海沿岸の猿払村知来別に至る道道で、宗谷丘陵地域の幹線道路です。現在、宗谷村字増幌769番地先から宗谷村字東浦国有林3林班地先まで工事中で、平成21年6月22日から平成24年5月中旬まで通行止めになっています。
 当共同企業体は、北海道稚内土木現業所発注の稚内猿払線交付金(改築)工事その1で、宗谷村字増幌で道路改築工事を行い、施工に当たっては自然に配慮した工法を採用しました。工期は平成21年5月27日から工事は始まり、平成22年2月1日で工事は完成しました。

工事概要
工  期:平成21年5月27日 〜 平成22年2月1日
施工場所:北海道稚内市大字宗谷村字増幌
橋梁下部工:逆T式橋台 2基
場所打杭(φ1000):12本
橋梁上部工:プレテンション中空床版桁 N=12本(L=23.6m)
護 岸 工:一式
カルバート工:一式
排 水 工:一式
仮 設 工:仮橋3橋
道路土工:・掘削工 V=24080m3
     ・盛土工 V=23448m3
舗 装 工:一式







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クサンル川改修工事

クサンル川改修工事
石塚建設興業株式会社 現場代理人 玉田 稚明氏


▲硬質地盤クリアー工法 ▲工法説明図の設置


 当工事は、北海道稚内土木現業所発注の河川改修工事で、稚内市末広の天北埠頭1号橋から天北埠頭2号橋までの120mの区間において護岸工事を行っています。
 クサンル川は、河口から3.0kmの区間において昭和32年より災害復旧工事や単独工事、準用河川改修工事等が行われてきましたが、平成6年8月の豪雨により下流の市街地を中心に洪水被害が発生し、家屋浸水などの被害を受け、さらに平成12年にも被害を受けています。
 このため天北埠頭1号端から緑2号橋までの延長1.05kmの区間において平成12年の豪雨と同等の大雨による洪水から、クサンル川周辺に住む住民の生命と財産を守るため河道掘削工事等を実施しています。
 当工事施工区間は市街地にあり近隣には住宅、病院などが隣接しているため、矢板護岸工やコンクリート構造物取壊し工事などには従来使用していたバイブロハンマー、コンクリートブレーカーなどの振動騒音の低減が難しい機械からオーガ先行削孔の併用による油圧式圧入工法(硬質地盤クリア工法)を採用。既設コンクリート擁壁の取壊し作業には静的油圧破砕器(バースター工法)およびワイヤーソーを使用してコンクリート切断作業を行い振動騒音対策に努めています。
 私たちは、工事に先立ち今回工事で採用する工法の説明図などを現場内に設置し地域住民の方々に、ご理解いただけるよう努力しています。

工事概要
工事延長:L=152m
掘 削 工:L=152m V=2,040m3
護 岸 工:L=144m
矢板護岸:L=54m(うち矢板打ち込み n=44枚)
根  継:L=90m







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元地香深線災害防除工事

元地香深線災害防除工事
早坂・北武・錦 経常建設共同企業体 現場代理人 葛西 智和氏



 元地香深線(北海道道765 号線)は、礼文町元地と同町香深を結ぶ唯一の一般道道で、観光用道路としても重要な役割を果たしています。
 本工事は、自然災害からの交通の安全を確保するための地滑り対策工事です。当現場は、地滑り対策のため、一段毎(21〜28基/段 計5段)の施工を基本としています。地山を掘削した後、アンカーを挿入するφ135mm の孔をボーリングマシン(ロータリーパーカッション式削孔機)により削孔を行い、グラウト材を注入して高強度のPC 鋼線(SC アンボンド)を挿入します。グラウト材が所定の強度に達した後、品質保証試験を行って施工が適切であったか緊張用ジャッキを用いて確認し、フィットフレーム鋼製有孔型枠(FIT30W-1000-45)を設置して、流動性の良い高流動コンクリートを打設します。
 コンクリートを打設することによりフィットシート(凹凸処理加工)が地山の凹凸に沿って膨らむ為、アンカーの緊張力を有効に地盤に伝達します。
 アンカー緊張・定着後に、自由長部の周囲やアンカー頭部周辺の空隙の充填を行い、防食機能を増強させ、頭部の保護はヘッドキャップ内部に防錆油を充填させアルミ製の保護キャップをかぶせ固定する事により完了となります。  アンカー体を基盤内に定着させ、鋼線の引張り強さを利用することにより地すべり滑動力に対抗しようとする工法です。
 現場は地すべりと落石の恐れのある区間なので、施工中も地山の挙動を監視し、地すべりの観測を行い安全面には非常に気を遣っていますが、完成により、一般車輌及び歩行者が安心して通行できる路線になる事を切に願います。

工事内容
工事延長:L=64.75m
現場打法枠:N=130基
アンカー:N=130本
工  期:平成21年8月5日〜平成22年3月10日







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伊茶仁海岸侵食対策工事1工区

伊茶仁海岸侵食対策工事1工区
佐藤・三ツ輪 経常建設共同企業体 現場代理人 阿部 良明氏


▲中割石捨石均し施工状況 防寒囲い内は、堤体波返型枠据付 ▲堤体波返完了後、根留コンクリート型枠据付状況


 私たちは伊茶仁海岸浸食対策工事1工区を担当しています。これは砂浜における波の力と、それによって運ばれる砂のバランスが崩れて砂浜の後退が進んだ地域を対象に、背後地の道路や住宅などを保護し、地域住民への、高潮、津波における安心感を与えるために、堤体波返・消波ブロックなどの施設を整備するものです。
 先のチリ地震においては、全国の太平洋沿岸部で津波警報が発令された次第ですが、釧路・根室地方はとりわけ海岸線が長く、潮流・波浪による浸食・決壊を受けやすいことから、海岸保全施設の着実な整備が必要とされていました。
 施工に当たっては、環境整備事業に合わせて、うるおいのある海辺空間を創出する工法を採用しており、地域の人々を遠ざけるのでなく、親しめる浜辺となることを願って施工しています。

工事概要
工事場所:標津町
直立式堤防:L=119.8m
海岸土工:1式
堤防基礎工:L=114.9m
表法被覆工:L=119.9m
天端被覆工:L=144.7m
波返工:L=119.8m
裏法被覆工:L=139.5m
根固め工:L=119.8m
排 水 工:L=139.2m
打 止 工:1式
構造物撤去工:1式
仮 設 工:1式
工期:平成21年9月16日〜平成22年3月10日







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根室浜松 急傾斜地崩壊防止工事

根室浜松 急傾斜地崩壊防止工事
真壁建設株式会社 現場代理人 高岡 洋二氏


▲法面工施工状況 ▲施工全景


 私たちは根室市の太平洋側に位置する浜松地区にて、急傾斜地崩壊防止工事の施工を行っております。本工事は、高低差約30mの急傾斜地において、4段または5段の防護柵を設置し、浜松地区斜面下の人家保全に努める工事です。
 主な工事内容は、大口径ボーリング(ダウンザホールハンマ工法)によるH形鋼杭の建込み及び充填モルタルの注入、土留横材として軽量鋼矢板の取付け、崩土防止柵における端末支柱基礎の製作と、ロックフェンスの取付けがあります。また、各段において小段排水が設けてあり、縦断排水により斜面下の既設排水工へ接続します。
 冬期施工と斜面での作業という事で、安全管理はより一層留意して、無事故無災害での工事完了を目指しています。

工事概要
施工延長:L274.6m
法 面 工:H形鋼杭      N=348本
    土留横材      L=532m
    崩土防止柵     L=510m
    崩土防止柵端末基礎 N=37箇所
排 水 工:小段排水及び縦断排水 L=618m
工  期:平成21年9月2日〜平成22年3月30日







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釧路鶴居弟子屈線 交安1種(統合)工事(中央帯)(幌呂原野地区)

釧路鶴居弟子屈線 交安1種(統合)工事(中央帯)(幌呂原野地区)
沢田・村井・豊松吉 経常建設共同企業体 現場代理人 小幡 哲也氏


▲橋台工[A1橋台] 鋼管杭沈設・橋台工[A2橋台] 鋼矢板引抜 ▲タンチョウねぐら 1月22日


 当工事は、道路の線形改良及び中央帯設置による交通事故防止を目的とする道道釧路鶴居弟子屈線の雪裡橋下部工事を行っています。
 現場から約800m上流にタンチョウのねぐらがあり、2月上旬には約100羽近くのタンチョウが飛来するため工事施工中は、ねぐらへの阻害防止及び衝突防止に努めております。当作業所では発注者、タンチョウ保護関係者、コンサルにより現場説明会を開催し、一昨年度のタンチョウ個体数調査をもとに、11月から3月までの工事作業時間帯を設定し、保護関係者方々のご指導をいただきながら、視覚・聴覚刺激の軽減を講じるための措置を行い施工しています。
 また、現場内にWEBカメラを設置し、タンチョウ保護関係者の方が工事現場の進捗状況をリアルタイムで把握できるように設定し、自然環境への配慮を行いながら作業を進めています。

工事概要
橋長 L=54.7m
橋幅員 W=14.75m(地覆外縁間) W=6.50+2.5m
河川土工 掘削 V=520m3 盛土 V=830m3
護岸工 連節ブロック(300kg/u) A=18u
かごマット(平張式)  A=329u
かごマット(多段式)  A=18u
道路土工 盛土 V=1260m3
法面工 ふとんかご(1.2×0.5m) L=40m
橋台工:
【A-1】鋼管杭 φ600 L=16.0m N=39本
   躯体コンクリート V=523m3
   仮設鋼矢板V型 L=14.0m N=156枚
   薬液注入 削孔L=13.84m N=210本(注入長2.0m)
【A-2】鋼管杭 φ600 (杭頭処理) N=39本
   躯体コンクリート V=435m3
   仮設鋼矢板W型 L=14.5m N=158枚
   薬液注入 削孔L=14.24m N=176本(注入長2.0m)
工期:平成21年7月2日〜平成22年3月30日







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(200)名寄遠別線 改築工事(上部工)

(200)名寄遠別線 改築工事(上部工)
堀松建設工業株式会社 現場代理人 野崎 義人氏


▲PC桁架設P1〜P2G4桁(550t) ▲PC桁架設P2〜A2G4桁(550t+200t相吊り)


 名寄遠別線は、上川支庁管内の名寄市と留萌支庁管内の遠別町を結ぶ総延長75.9Kmの一般道々です。
 当路線は「奥地等産業開発道路整備臨時措置法」により、道に代わって国が実施する「開発道路」として1970年(昭和45年)に指定され、全線開通を目指して工事が進められています。
 私たちが工事を担当する豊成橋は遠別町から名寄側に約20Kmの地点に位置し、昭和36年に築造され約50年が経過した車道幅員5.5m、橋長85mの3径間連続ポステン方式PCT桁橋です。
 豊成橋は、平成19年度から20年度にかけて橋の耐震補強及び全線開通に向けた橋台、橋脚の拡幅工事と桁の製作が進められ、当工事では前年度に製作された桁の架設と床版・横組、アラミド繊維シートによる床版補強並びに橋梁地覆・高欄修繕工、舗装修繕工が主要工種で、昨年末には橋面舗装の基層まで終了し、残る表層を3月中旬に施工して工事完了予定です。
 工事開始から8ヶ月間を無事故・無災害で経過しており、表層舗設作業についても最後まで気を緩める事無く安全作業を行い、無事故・無災害で工事を終了するとともに、品質の高い構造物の築造に努力しています。

工事内容
工期:平成21年6月23日〜平成22年3月23日
橋長:L=85.0m
幅員W=8.7m(地覆外縁間)
ポステン方式PC連結T桁(拡幅部):N=6本
横締めケーブル:386m
横締め緊張:182箇所
橋面防水:618u
橋面舗装:630u
橋梁・地覆修繕工:1式
床版補強工:1式
車両用防護柵:L=180m
護岸工:A=257u
構造物撤去工:1式
仮設工:1式







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豊富遠別線局改工事(防雪柵)2工区

豊富遠別線局改工事(防雪柵)2工区
石山・豊松吉 経常建設共同企業体 現場代理人 瀬尾 優氏


▲防雪柵設置状況


 当工事は「道々豊富遠別線」北緯45°の町・幌延町開進地区で、防雪柵を3区間で総延長約1km設置する工事です。
 現場は天塩川沿いの平坦な牧草地で、冬期間は吹雪による交通障害(視界不良・吹き溜まり)が発生している場所です。防雪柵の基礎形状は鋼管杭基礎形式であり、3.50m間隔(標準)に設置し合計で297基あります。道々上に於いて、片側交互通行の規制を行いφ318.5の鋼管杭(L=6.00m〜7.50m)を打ち込み、基礎コンクリートを打設し、防草パネル及び防雪柵の設置となります。
 11月に鋼管杭の打ち込みを終え、12月初旬からは基礎コンクリートの打設作業となりましたが、毎日除雪作業からの始まりでした。
 日本海からの強風が天塩川を吹き抜け吹雪となり、現場に設置してある吹き流しは真横に向き、視界確保が困難で交通規制が行えず作業を中断した日も何度かあり、防雪柵の必要性を改めて実感しました。
 今回設置する吹払式防雪柵は風を下部の隙間に集め加速させて下方に吹付け、舞い上がる雪及び路面の雪を吹き飛ばします。吹き溜まり防止と視界障害緩和が目的で、現在は埋め戻し、防草パネルの設置を完了し、最終段階の防雪柵の組立設置作業を行っているところです。
 毎日、生乳運搬車が休みなしで収集運搬作業のため通行している道路です。防雪柵の完成によりこの道路を安心して通行していただきたいと思います。工期も残り僅かですが事故のないよう充分に配慮して工事を完成させたい思います。

工事概要
工事場所:天塩郡幌延町字開進
工期:平成21年9月1日〜平成22年3月26日
工事内容:
 吹払式防雪柵オーバーハング型
 (設計風速50m/s) L=1,031m
基  礎:297基
鋼 管 杭:297本







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