建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年4月号〉

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小樽市のまちづくりへの貢献を視野に設計された小樽地方合同庁舎

北海道開発局営繕計画課 小樽地方合同庁舎


▲小樽地方合同庁舎 北東側
▲小樽地方合同庁舎 西側


 小樽地方合同庁舎は、現在の小樽港湾合同庁舎(建設年次1965年)及び小樽税務署(建設年次1929年)を一体で整備する建替え計画で、平成18年度から平成19年度にかけて設計を行い、平成22年3月に完成した。
 この庁舎は、災害対策基本法に基づく指定地方行政機関(第一管区海上保安本部)等が入居しており、重要な防災拠点施設としての役割を担うとともに、敷地は小樽市の観光スポットである小樽運河や倉庫群に近接する臨港地区にあり、まちづくりや小樽港の景観形成への寄与等を目的として建設された。
 その設計に当たっては、学識経験者、地域の有識者、施設利用者、施設管理者等のメンバーから構成される「小樽地方合同庁舎整備事業地域連携懇談会」を設置し、まちづくり、景観、ユニバーサルデザインに関する提案の聴取や意見交換を行った。建設にあたっては、次の4テーマが設定された。「歴史的資源や、良好な水辺空間を活かした景観形成、海から見た小樽港の良好な景観の創出に寄与し、中心市街地の活性化に資するよう整備を行う」、「第3号ふ頭周辺地区のまちづくりに寄与するため、第3号ふ頭基部の多目的広場や既存港湾合同庁舎跡地等の効果的な土地利用を含めた合同庁舎敷地と地域の連携を図る」、「施設の保有すべき防災性能及び業務形態の変化に追従する柔軟性を確保する業務空間と地域に寄与する効果的な施設利用を可能とする空間構成とする」、「積雪・寒冷地に立地する気候風土を踏まえた環境負荷低減を取り入れる」。小樽合同庁舎はこうして完成した。




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