建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年4月号〉

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ユニバーサルデザインの視点に立った公営住宅の整備

音更町 鈴蘭団地公営住宅建て替え事業

▲鈴蘭団地 完成予定パース


 音更町は、中鈴蘭北5丁目に公営住宅鈴蘭団地建て替え事業を進めている。
 昭和45年から48年までに建設されたブロック造平屋建て17棟72戸を建て替えるもので、平成20年度に基本設計・実施設計を行い、平成21年度からA棟の建設に着手した。全体では2棟64戸の建設計画である。
 同団地の整備にあたり、年齢や障がいの有無などに関係なく誰もが使いやすいユニバーサルデザインの視点に立った設計を採用するとともに、省エネルギー性、安全性、快適性や入居者のコミュニケーションが図られるように考慮した設計となっている。

ユニバーサルデザイン(間取りの可変性)
 玄関以外は有効幅85cmの引き戸とし、各所に手すりを設置するほか、座ったままの姿勢で使うことができる洗面台を採用した。
 居間に続く部屋は、建具をすべて壁に引き込むことにより居間の空間を広くして使用することができ、また、二室続きの部屋の間にある収納スペースは両側から使用し、必要な時には建具を収納して一部屋とすることも可能。トイレの建具は簡単に取り外すことができ、介助が必要になったときに広く使えるなど、世帯構成や身体の状況など入居者の使い方にあわせて間取りが簡単に変更できるよう工夫をしている。

省エネルギー
 外断熱工法を採用するとともに、居間、寝室の南側の窓からの採光を確保し冬期の暖房負荷を軽減している。また、深夜電力を利用した蓄熱暖房器1台で全室を暖房し、電気温水器とクッキングヒーターを設備して入居者の安全性、快適性を追求した。

コミュニケーション
 南面の大きなガラスで太陽光を十分に取り入れた階段のとなりには入居者が団欒できるようにベンチを設置するほか、住棟間を行き来する通り抜け通路や家庭菜園を楽しめるコミュニティ菜園など、団地全体のコミュニケーションの向上を図る工夫を施している。


工事概要
工  期:平成21年6月22日から平成22年9月30日
構  造:住宅棟RC造4階建 2954.08u
物置自転車置場棟:ブロック造1階 112.14u×2棟
戸  数:2LDK          24戸
      3LDK           7戸
      車椅子対応2LDK    1戸
      計             32戸


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