建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年3月号〉

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2010年度北海道開発予算

総予算額は前年比17%減の4856億9100万円

――「第7期北海道総合開発計画」推進に懸念も!道開発事業費に、国交・農水両省が交付金(新設)の計上




 2009年8月衆議院総選挙で自民党政権から民主党政権へ劇的な政権交代となった。また、未曾有の世界経済・景気低迷は日本の経済・社会情勢にも深刻な影響を及ぼしている。その中で、「民主党・鳩山政権下ではじめての予算編成」は“コンクリートから人へ”の方針のもとで2010年度予算(案)に占める公共事業費関係は大幅な削減となっている。
 一方、北海道開発に関しては、平成20年7月に閣議決定された「第7期北海道総合開発計画」に基づき、「開かれた競争力ある北海道」「維持可能で美しい北海道」「多様で個性ある地域から成る北海道」の戦略的目標と主要施策として@グローバルな競争力ある自立的安定経済実現A地域環境先導し自然と共生B魅力と活力ある北国の地域づくり・まちづくりC内外交流を支えるネットワークとモビリティの向上D安全・安心な国土づくり―の推進をするとしている。
 2010年度北海道開発予算総額は4856億9100万円で前年対比17%減となった。公共事業費にあたる北海道開発事業費は4754億1400万円で17.3%と大幅減となった。項目別でも住宅都市環境整備事業が前年比44%、農林水産基盤整備事業全体で前年比64.9%。中でも農業農村整備費が前年対比46.9%と大きく下回る。新設の農山漁村地域整備交付金(約153億円)が充てられても厳しい予算となった。


主な事業
 北海道総合開発計画の主要施策に合わせて事業別に見れば、グローバルな競争力と安定に向け(食、観光、成長産業)、港湾・空港関係で釧路港、苫小牧港、石狩新港などの整備事業や新千歳空港整備事業を進める。地域環境、自然との共生事業では、釧路湿原の再生に向け釧路川の蛇行の復元事業と周辺の農業農村整備も推進する。活力ある地域づくり・まちづくりとして、高規格幹線道路・地域高規格道路整備や札幌駅前地下歩行空間整備等を進め、物流の円滑化や地域発展の基盤整備を推進する。併せて、内外交流を支えるネットワーク構築として、道央圏連絡道路美原道路整備や新幹線のアクセス強化、離島振興対策で沓形(利尻島)、香深(礼文島)、羽幌などの港湾整備を行う。安全・安心な国土づくりとしては、千歳川流域治水対策、樽前山の土砂災害対策、胆振海岸の防災などの継続事業は進める。
 一方、社会的にも問題・話題を集めた「直轄ダム事業」は本体工事が本格化した“夕張シューパロダム”は増額継続となったが、サンル、幾春別などは厳しい局面となっている。
 2010年北海道開発予算を見る限り、北海道総合開発計画(08?17年度)の基本施策の計画にも大きな影響が懸念される。特に日本の食料基地として農・水産物の自給率向上と北海道の豊かな資源を生かした事業推進計画の拡大が要望される。









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