建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2010年2月号〉

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県民期待のプロジェクトが進む沖縄県

沖縄県土木部建築部〜伊良部大橋・新石垣空港


沖縄県土木部建築部 伊良部大橋
沖縄県土木部建築部 新石垣空港


▲平良側進捗状況写真


 普天間基地移転問題で注目される沖縄県の社会基盤整備において特に施策的重点がおかれているのは、孤立していた伊良部島と宮古島を結ぶことで、県経済の下支えともなる伊良部大橋や、石垣空港の容量を上回る新石垣空港など、県民の期待を背負って進められるこれら主要事業について速載する。





伊良部島民の暮らしを守る伊良部大橋

――宮古島経済圏の発展のカギ

沖縄県土木部建築部 伊良部大橋


▲平良側進捗状況写真(H22.1.11) ▲伊良部側進捗状況写真(H22.1.4)


▲橋梁構造
クリックすると拡大したものが開きます。


 宮古島と海峡によって隔絶されている伊良部島の地域住民は、医療、教育、福祉において多大な不便を強いられており、このために過疎化の進行や産業の衰退など、離島特有の課題を抱えている。そのため、昭和49年に当時の伊良部村が架橋要請活動を開始。これに応えて、県は13年度から着工準備調査を実施し17年度からいよいよ工事に着工した。
 施工は仮桟橋を設置してから下部工、上部工を進め、完成後に仮桟橋を撤去する手順で、現在は上下部工ともに着手している。下部工は仮設工を施工してから鋼管杭を打ち込み、締め切り内掘削の後にフーチング施工、柱施工が行われる。一般部上部工は架設桁を移動・据え付けてから主桁セグメントを運搬・架設、中央部を閉合したら架設桁を次の径間に移動するという手順で行われる。
 施工に当たっては、汚水処理機や汚濁防止膜による濁水対策のほか、緩衝緑地帯による騒音・振動対策など、施工中だけでなく完成後にも十分な環境対策が施されている。
 この大橋の整備によって、移動時間が18分短縮される。また高等学校生徒の島外学校への通学も容易となり、下宿費用、海路通学の運賃負担が軽減される。
 物流の効率化が図られることで、宮古圏域の一体化による経済交流と人流が活性化し、地域格差も解消される。また、我が国初のパイロット訓練飛行場として開港した下地島空港の利用が促進され、農業、漁業が発展。さらに、この大橋がトライアスロンコースや宮古島一周観光ルートの一端を担うため、観光客の増大が見込まれ、レンタカー利用率が伸張するほか、観光開発・振興と、それにともなう雇用創出など人口減少への歯止め効果が期待されている。








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沖縄の特産品を大都市圏へ

――本格的なジェット化で県経済に弾み

沖縄県土木部建築部 新石垣空港


▲全体平面図


 石垣島で、新石垣空港が2,000メートルの滑走路を持つ本格的なジェット化空港として建設されている。昭和51年に、将来の需要増加に対応して計画されたもので、これまでは搭乗定員が最大159人の小型ジェット機だったが、この空港整備により最大351人の中型ジェット機の就航が可能になる。
 これにともない、有視界着陸からの計器着陸が可能となり、安全性が向上する。市街地の騒音問題も解消され、手狭で混雑していたターミナルも十分なスペースが確保でき、快適なサービスを提供できる。
 離着陸の際の航空機の重量制限がなくなり、コンテナ輸送が可能となるため、地域で収穫されるマンゴー、パイン、花卉、魚介類などの農水産物を、那覇や東京、 大阪などの大都市圏に大量に早く輸送できる。また、観光客が増え、八重山の産業の発展に大きく貢献するなど、多面的な波及効果が期待されている。



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