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国道168号十津川道路は、奈良県南部に位置する十津川村の大字平谷から大字小原に至る6.0qの道路で、地域高規格道路である五條新宮道路の一部を構成している。さらに、近畿自動車道紀勢線と京奈和自動車道などと一体となって広域幹線道路ネットワークを形成し、太平洋沿岸部と紀伊半島内陸部の交流促進を図る重要な役割を担っている。
また、周辺では金華山寺や玉置神社など紀伊山地の霊場と参詣道が、平成16年に世界遺産として認定されるなど、世界的な評価が高まり地域の価値も向上しているため、路線としての重要度もさらに高まってきている。
ところが、国道168号の和歌山県と奈良県の県境付近は急峻な山地で、線形不良の上に幅員が狭小であり、異常気象時通行規制区間も存在する。このため、奈良国道事務所は、直轄事業として一次改築事業に着手した。
十津川道路が完成すると、劣悪区間が解消され、スムーズな通行が実現することにより、京阪神地域からの移動時間が短縮し、十津川温泉をはじめ周辺の観光地への周遊ルートも確立されるため、観光客の増加による地域の活性化が期待されている。
現在、折立から小原地区において橋梁工事やトンネル工事を推進している。また、施工現場では猛禽類の調査を行い、残土処理予定地に生息する貴重植物を移植するなど、自然環境にも配慮している。
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