建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年8月号〉

寄稿

苫小牧地区工業用水道改築事業

北海道企業局工業用水道課 課長 須藤 正喜

須藤 正喜 すどう・まさき
昭和38年 1月 神奈川県出身
昭和61年 7月 総務省(旧自治省)入省
平成13年 8月 総務省大臣官房広報室 広報報道専門官
平成16年 4月 総務省自治行政局公務員部 課長補佐
平成19年10月 北海道企業局工業用水道課 課長 現職


▲新南幹線起点 ▲中央南埠頭幹線道路

1.事業の目的及び計画の概要
苫小牧臨海工業地帯に工業用水を供給するために、苫小牧地区第一工業用水道が、給水量100,000m3/日の規模で昭和43年4月に着工し、総工費約12億7千3百万円で昭和45年3月に一部が完成、昭和47年3月に全部が完成しました。
 その後の需要増に対応するため、苫小牧地区第二工業用水道が給水量100,000m3/日の規模で昭和47年4月に着工し、総工費49億5千9百万円で昭和54年3月に完成しました。
 また、暫定的に苫小牧地区第二工業用水道から苫小牧東部地域に工業用水を供給していた事業を苫小牧東部地区第一工業用水道と位置づけ、平成11年4月から給水を開始し(給水量は23,000m3/日で苫小牧地区第二工業用水道の内数)、苫小牧地区では3つの工業用水道事業を行っていました。
 工業用水道施設の現況として、建設後、苫小牧地区第一工業用水道で39年経過し、配水管の経年劣化に伴う老朽化や地震に対する脆弱性による漏水事故と受水企業の水需要動向の変化により配水管の給水能力の低下が生じていました。  また、苫小牧東部地域に対する水源としていた沙流川総合開発事業への参画の計画変更により、既存工業用水道の余剰水を有効活用することによる恒久水源の確保が必要となっていました。
 このことから、苫小牧地区第一・第二・東部地区第一工業用水道の3工水の統合による広域化を図り、配水管の老朽対策や耐震化及び増口径化を行い、安定的な給水に努め、効率的な事業運営を行うことを目的とした配水管の改築を平成18年度から国庫補助事業として総工費38億円を投じて行い、平成23年度に完了する予定となっています。
 なお、平成19年4月には、苫小牧東部地区第一工業用水道を廃止して、苫小牧地区第二工業用水道と統合を図り、苫小牧地区第二及び東部地区工業用水道としています。

▲市道真砂大通 ▲市道真砂大通

2.平成21年度事業概要
 布設地盤は沖積世の砂質土であり、地震時に液状化することが懸念されるため、既設PC管を耐震性に優れたダクタイル鋳鉄管ヘ布設替えする工事で布設工事費は、7億7千80万円です。
 新南幹線工区は、平成20年度に引き続きφ1100oの管路を2,149mにわたり布設し、6月には2分岐工の充断水接続工事を実施し、8月には1分岐工の充断水接続工事を行い、工事完了後、平成20年から21年に整備した管路の供用を開始します。
 新東幹線工区は、8月に幹線の上流側において1分岐工の充断水接続工事を行うとともに、φ1100oの管路を242mにわたり布設します。

▲道道苫小牧環状線 ▲道道苫小牧環状線

3.おわりに
 充断水接続工事においては、各受水企業の断水及び節水の理解と協力が欠かせないことを申し添えます。

北海道企業局 苫小牧地区工業用水道改築事業に貢献します
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