建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年7月号〉

寄稿

道道余市赤井川線冷水トンネルの施工を担当

――カルデラ外輪山の下をNATM工法で掘進

●大林・札建特定建設工事共同企業体
赤井川JV工事事務所 所長 桶谷 強




▲道道余市赤井川線 道路改良(冷水トンネル)工事

 私たち大林・札建特定建設工事共同企業体は、北海道小樽土木現業所が計画した道道余市赤井川線「冷水トンネル」の施工を担当しています。この路線は余市町と赤井川村を結ぶ幹線道路で、地域住民の通勤、通学や余市町の果樹園や赤井川村のキロロリゾートなどへの観光ルートとして利用されていますが、冷水峠は、最小半径R=25m、最急勾配I=7.6%の急カーブが連続と急勾配する交通の難所となっていました。特に、平成20年度に倶知安町にアクセスする国道393号赤井川道路が開通したことで、この道道余市赤井川線の交通量の増加が見込まれるとのことです。
 そのため道路管理者である小樽土木現業所によって2,550m区間の改良事業に着手され、その一部としてこの冷水トンネルが計画されたものです。
 トンネルの規模は延長1,281m、うちトンネル部は1,260m、坑門21mで、仕上げ径は4.55m、車道の幅員は6.0mで、路肩は両サイドに各0.5m、監査歩廊として0.75mが確保されます。線形は緩やかなS字型で、カルデラ外輪山の下を抜ける形で短絡します。工期は20年10月に着工し、23年11月の完成予定で、赤井川村側から施工を進めています。
 工事カ所の地質は崖錐堆積物、上部・下部火山破屑岩、上部・下部安山岩溶岩となっているので、掘削に当たってはNATM機械掘削によるショートベンチカット工法と、補助工法としてAGF(長尺鋼管先受工法)を採用し、支保工のタイプはDT-b.DU.E.坑口としています。施工においては、道路利用者や周辺環境に十分に配慮しながら進めています。




冷水トンネル 工事概要
工事名:道道余市赤井川線 道路改良(冷水トンネル)工事
工 期:平成20年10月10日〜平成23年11月30日
工事場所:北海道余市郡仁木町東町緑ヶ丘〜赤井川村日ノ出
工事内容:
 1.トンネル仕上げ径 R1=4.55m
 2.トンネル延長 L=1,281m(トンネル1,260m+坑門21m)
 3.用途 道路トンネル
 4.工法 @志保タイプDI-b.dUE.坑口
     A掘削方法 NATM機械掘削ショートベンチカット工法
     B補助工法 AGF(長尺鋼管先受工法)
 5.幅員 @車道 W1=6.0m
     A路肩 W=0.5m×2
     B監査歩廊W=0.75m×2
 6.内空断面積(仕上がり) 内空断面積1 49.1u
             内空断面積 52.4u
             換気断面積 44.6〜45.0u
 7.地質 崖錐堆積物、上部・下部火山破屑岩、上部・下部安山岩溶岩



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