建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年7月号〉

寄稿

全国初!政令市の都市圏自専道の環状ネット実現に向け

仙台河川国道事務所 副所長 簾内 章也



▲完成予想図



はじめに
 日本は今、世界の金融資本市場後退をきっかけに広がった経済危機に直面していますが、東北地方など基盤の弱い地域では、より強力にその影響を受け、各地で企業の倒産、工場閉鎖、企業進出の撤回・凍結などマイナスの影響が出て来ています。
 現在、国を挙げて緊急経済対策が進められており、我々もより効果の大きな事業の集中的な実施や工事の早期発注といった面で経済状況の回復に向け真剣に取り組んでいます。
 道路事業においては、国民生活や企業活動に大きなロスを生じさせ地域の活性化を阻害する都市部の慢性的な交通渋滞、沿道環境の悪化といった問題や地方部における少子・高齢化、人口減少の問題対応、地域間の交流連携を促す基盤整備、救急救命活動や三次医療施設へのアクセス向上また、宮城県沖地震・津波対策などとして高規格幹線道路の整備をはじめとする事業に取り組んでいます。
その中でも「仙台北部道路」は、完成すれば地域の活性化に大きな整備効果をもたらすとともに政令指定市として全国初となる自動車専用道路環状ネットワークが完成することになることから地域の期待も大きい事業です。

▲仙台北部道路 ▲仙台北部道路
▲路線図
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「仙台北部道路」の概要
 「仙台北部道路」は東北縦貫自動車道、三陸縦貫自動車道を結ぶ延長13.5kmの道路で、仙台東部道路及び仙台南部道路と一体となって仙台都市圏における自動車専用道路環状ネットワーク(一周約60km)を形成する高規格幹線道路です。
このほか、現在、仙台の北部周辺を中心に地域活性化の大きな鍵を握ると期待される大規模企業立地が実現しつつあり、「仙台北部道路」はこれを強力に支援する事業として地域の大きな期待を担っています。
 「仙台北部道路」は、仙台都市圏にある拠点を環状に直結することで交流、物流の効率化を可能にし、@拠点間連絡の大幅な短縮A市内の一般道路の交通混雑緩和B災害自等有事の際の迂回ルートの確保などの整備効果により国民生活や企業活動を後押しすることを目的とした事業です。

「仙台北部道路」の現在の状況
 「仙台北部道路」は現在、三陸縦貫自動車道から分かれる利府JCT〜しらかし台IC(5.2km)間が開通し、現在しらかし台ICから東北縦貫自動車道に繋がる(仮称)富谷JCTまでの6.6km間の舗装工事を進めるとともに、富谷JCT、利府JCT(フルJCT化)ランプ橋上部工架設工事をNEXCO東日本の仙台工事事務所と協力して進めており、6月には富谷JCT、秋には利府JCTにおいて全国に数台しかない800tのクローラークレーン使用による供用線部分への桁の一括架設を実施し、平成22年の東北縦貫自動車道、三陸縦貫自動車道の直結を目指します。
 さらに、富谷JCT〜国道4号までの区間の工事についても早期に完了しさらなる利便性の向上を図る予定です。

おわりに
 我々は、道路事業を通じ地域活力のために不可欠な高速道路網の早期整備、安全・安心で円滑な道路交通環境の確保、地域住民や利用者重視のサービス向上を目的に、地域の期待に応えられる様努力して参ります。




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