建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年6月号〉

寄稿

老朽化と狭隘化の進んだ江竜橋を架け換え

――滝川市と雨竜町を分断する石狩川を跨いで地域を結ぶ生活路線

●道道江部乙雨竜線江竜橋 架換(上部工)工事1工区
日本高圧・ドーピー 特定建設工事共同企業体 所長 小谷 克博
●道道江部乙雨竜線江竜橋 架換(上部工)工事2工区
日本高圧・山田 特定建設工事共同企業体 所長 渡辺 嘉英

●道道江部乙雨竜線江竜橋
    架換(上部工)工事1工区
日本高圧・ドーピー 特定建設工事共同企業体
所長 小谷 克博
●道道江部乙雨竜線江竜橋
    架換(上部工)工事2工区
日本高圧・山田 特定建設工事共同企業体
所長 渡辺 嘉英



▲完成予想図

 私たちが施工を担当している新江竜橋は、一般道道江部乙雨竜線の滝川市江部乙町と雨竜町とを結ぶプレストレストコンクリート橋です。江部乙雨竜線は、地域の通勤・通学など生活と経済活動を支える生活道路として、地域では重要な役割を担っています。また、国道12号と275号にアクセスすることで、国道網を補完する役割も果たしています。
 地区を分断している石狩川は、迂回路が上流側では7qも離れた妹背牛橋と、下流側では10qも離れた石狩川橋しかありませんでした。このため、石狩川を跨いで両地区を結ぶ江竜橋は、地域住民にとって石狩川を渡河するための唯一の橋梁でした。

▲大型車の交通量に伴い危険な状況にある江竜橋
▲現在の施工状況

 ところが、老朽化が著しく進んでいる上に、大型車の交通量が増加傾向にありながらも歩道がなく、幅員不足が顕著となっており、通行の危険度が高くなっていました。また、老朽化対策のための補修工事を行うたびに、全面通行止を余儀なくされるために、路線バスや貨物輸送に大きな支障を来していました。そこで、北海道札幌土木現業所が、この江竜橋の架け換えに着手することとなりました。
 その事業計画に基づき、私たちが担当しているのは江竜橋の上部工で、構造は8径間連続ポストテンション方式のプレストレストコンクリート橋梁となります。この橋体の施工においては、各橋脚から架設作業車を用いた片持ち張出施工を行い、側径間部を固定支保工で施工し、さらに中央閉合部は吊支保工によって施工します。
 各施工ステップにおいては、カンチレバーケーブルやスパンケーブル、床版ケーブルを適宜にストレス導入し、順次、主桁部分を構築していきます。そして、地覆、歩道、高欄、排水装置などのアクセサリー部を施工して完成となります。
 地域住民の生活と経済を支える、暮らしに欠かせない橋梁ですから、計画期限に合わせて、確かな施工技術で掛換工事に従事しています。



▲側面図


概要
橋 梁 名:江竜橋(こうりゅうばし)
路 線 名:一般道道江部乙雨竜線
道 路 規 格:幹線 第3種第2級
設 計 速 度:60km/h
橋   長:801.0m
支 間 割:79.5+4@106.5+2@109.0+74.5m
有 効 幅 員:13.0m(車道9.5m+歩道3.5m)
上部工形式:8径間連続ポストテンション方式PC箱桁
下部工形式:箱式橋台(鋼管杭φ800)
      小判型壁式橋脚
      (直接基礎、P2〜P7はピアケーソン)



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