建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年3月号〉

TOPICS

食糧供給力の整備、防災・減災対策を重点に事業展開

――北海道開発予算総額5855億円、道開発事業費は5.7%減の5748億円に

2009年度北海道開発局予算



 2009年度北海道開発予算は、総額で08年度比5.7%減の5855億円で9年連続前年比を下回った。このうち公共事業に充当の北海道開発事業費は5748億円で同5.7%の減少ととなった。国費全体に占める「北海道シェア」は9・5%となっている。
 2009年度は景気後退の長期化から予算執行に先立ち、2008年度1次、2次補正が編成された。それにより北海道開発事業費は補正額544億を加え6292億円となり、前年予算額を5億円上回ることになる。補正により昨年度予算確保と厳しい予算措置となったが北海道の特殊性を活かした事業を重点に配分をした。特に、食糧供給力の強化、防災・減災対策などを重点に事業推進を図る。


2009年度主要事業概要

 2009年度の重点事業として農業農村整備に1077億円を配分した。農業生産基盤の整備を通じた食糧供給力の強化に向け、生産基盤の弾力的な整備を進め、高品質の農産物生産性の維持・向上を図るとともに、担い手への農地利用集積と効率的で大規模な農業経営の確立を図っていく。
 国営農地再編整備事業では、空知管内雨竜町暑寒別地区、檜山管内今金地区などで調査着手。中鹿追地区、上士別地区などでも新規着手する。
 また、美女地区(美幌町・大空町)でかんがい排水事業に着手、安平川(安平町)は二期工事。根室管内(別海町・浜中町)で環境保安型かんがい排水事業を推進する。鶴居村、サロベツ地区(豊富町)では総合農地防災事業を継続。
 北見地区(湧別・上湧別)では農地排水路補修を進めるなど農業農村整備事業を強化し営農の効率化・改善を図る。
 一方、治山治水事業(治水・治山・海岸)に1203億円を配分。主に治水事業では天塩川水系サンルダムの本体工事に着手する。(但し漁業関係者の同意が条件)、留萌ダムは完工、暫定供用開始をする。十勝地区では、十勝川と札内川の中州での新水路掘削工事や千歳川放水地整備を進める。


道路整備事業
物流の円滑化を図り地域の発展の基盤となるネットワーク構築・道路整備事業は重要な位置を占めている。道路整備事業では、1812億円を配分している。
 主な事業として、北海道横断自動車道(道東道)の本別―釧路間の整備、高規格道路事業で、旭川紋別自動車道の上川天幕―浮島IC間、国道40号豊富バイパスが開通の見込み、旭川紋別自動車道では、白滝IC-旧白滝間(6km)が年度内供用開始予定。さらに、石狩湾新港や新千歳空港を結ぶ道央圏連絡道路の整備を進める。道南地区では、北海道新幹線の開業を見据えて新函館駅(仮称)と道南各地域をつなぐ道路整備を継続するほか、函館空港に通じる函館新外環状道路事業に取り組む。

港湾・空港事業
 港湾・空港事業として、空港関係では新千歳空港のレーダー整備を進め就航率の改善を図る。港湾事業では釧路港西港で島防波堤の建設、ウトロ漁港での荷さばき場整備、網走港海岸は高潮対策を継続する。函館港では臨港道路を整備するほか函館市・弁天地区などの岸壁整備事業を推進する。

その他の事業
 札幌市でのJR札幌駅〜地下鉄大通駅地下通路整備や創成川中心部「親水空間」事業推進する。JR旭川駅周辺での鉄道高架の継続事業。
 また、釧路川河口部の耐震旅客船ターミナルは2010年完成予定。
 自然再生事業では、釧路湿原内を流れる釧路川中流で蛇行の復元工事を続行する。


 2009年度北海道度予算は08年度補正予算(1次・2次)を合わせて昨年度予算確保と厳しい予算となったが最優先事業に重点を置いた事業計画となる。


北海道の発展に貢献します
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