ZOOM UP
![]() |
栃木県下の鬼怒川や関東圏の利根川下流域は、首都圏域としての発展がめざましく、急速な都市化・ライフスタイルの大きな変化により、水需要が急増している。だが、鬼怒川はその字の通りに鬼が怒ったような暴れ川で、降雨時には古くから氾濫を繰り返し、流域に被害をもたらしてきた。平成19年はこのエリアを含む関東圏が、台風9号の直撃を受け、県西部から北部にまたがる広範囲の山間部で激しい豪雨に襲われた。宇都宮地方気象台の観測では、総雨量が奥日光で557mm、土呂部は306mmを記録し、各地に大規模の被害をもたらした。
このため、都市化にともなう水需要の確保や洪水調節による治水安全度の向上策は、流域住民の長年の悲願だった。湯西川ダムは、こうした地域の願いに応えて、鬼怒川上流のダム群の一つとして計画されたプロジェクトだ。
![]() |
![]() |
![]() |
▲断面図 クリックすると拡大したものが開きます。 |
▲平面図 クリックすると拡大したものが開きます。 |
▲下流図面 クリックすると拡大したものが開きます。 |
建設地となっている水源地の日光市栗山地区は、栃木県内でも最大の面積を持ち、そのほとんどは日光国立公園内で、自然の豊かな地域となっている。そのため、平成9年に各種生物群や河川工学などの幅広い分野の学識者らで構成される検討委員会を設立し、その指導に基づきながら動植物の保全対策の検討を行っている。
また、林業をはじめ「平家の落人の里」として知られる湯西川温泉など、観光資源も豊富で、それら水源地の自然環境を活かしつつ、地域に根づいた文化も大切にしながら、地域住民の理解と協力と期待を背負って施工が進められている。
![]() |
|