建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年2月号〉

寄稿

一般国道40号幌富バイパス

――幌延町元町〜豊富町豊富を結ぶ自動車専用道路

●一般国道40号 幌延町 北斗トンネル工事
田中・堀口特定建設工事共同企業体 所長 掛作 康則

 北斗トンネルは、幌富バイパスの幌延IC(仮称)付近に位置しトンネル延長228.5m(掘削延長216.5m)のトンネルで、NATM工法、機械掘削で施工しました。
 当トンネルは、標高80m程度の丘陵地で宗谷丘陵に区分され第三紀鮮新世の堆積岩である更別層が分布し、未個結の砂、礫、粘土などの不規則な互層です。
 施工は終点側から掘削を始め、坑口付けは補助工法を施し、最初はN値50以上の砂層で、フォアポーリングにて掘削を進めたのですが、30mほどで滲み程度の湧水があり、小さな崩落が見られるようになり水抜きをしながら掘削をしました。

▲起点坑口全景 ▲終点坑口全景

 又、ロックボルト等の掘削には、泡削孔で砂を乱さないように工夫し掘削50mほどでインバート打設、坑口部早期併合で進めましたが、70mほど入った所で、天端付近からの崩落が顕著になり、AGF無拡幅工法を採用し掘削をしました。
 100m付近から、切羽面の崩落が多くなり長尺鏡ボルトを施し、掘削を進めたのですが、150m付近から砂層の固結度が低くなり、AGFの塩ビ管を壊す時、天端から崩落するようになり、拡幅工法に切り替えて施工しました。
 当トンネルは、200m程と短いトンネルですが、未個結の砂層であり、崩落が何時起るかわからない中での掘削作業でありましたが、発注者と連携を図り、変化にあった早急の対応・工法の選定にて掘削作業が進めることが出来たと思います。
 改めて、未個結地山掘削の難しさを実感いたしました。

 掘削作業は、平成20年1月から6月で完了し、覆工作業が7月から9月で終了、坑門工は10月で完了致しました。
 今後、幌富バイパス開通も間近と思いますが、冬期交通障害や交通事故防止、地域社会発展の一端に従事できたことを思い、今後も土木工事を通じて社会に貢献していければと思います。


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