建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年2月号〉

年頭所感

新たな計画による事業の推進

国土交通省北海道開発局帯広開発建設部 部長 安田 修

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年を振り返りますと、例年に比べ台風や地震といった大きな災害もなく、農業におきましても、8月下旬の低温・日照不足で一時生育が心配されましたが、天候がおおむね順調に推移したことから、豆類は豊作、その他の作物もおおむね平年並みの作況が見込まれています。一方、アメリカのサブプライム問題に端を発した金融危機の影響により、地域経済をめぐる情勢は、一層厳しさを増しております。政府は緊急総合対策として、緊急性や政策効果の高い施策として公共事業予算において補正予算を措置し、帯広開発建設部の実施分としても、約32億円の補正予算が計上されたところですが、追加対策や新年度予算も早期に成立し、更なる景気対策に貢献しなければならないと考えているところです。
 さて、本年は、昨年スタートした「地球環境時代を先導する新たな北海道総合開発計画」が本格的に稼働する 平成21年度を迎え、この新たな計画の方向性に沿って、事業を推進してまいります。
 「安全・安心な国土づくり」のため、十勝川の掘削、築堤の整備を継続して推進し、十勝川の治水安全度の向上を図っていくとともに、地域防災力の向上を図るため、水防拠点等の整備を推進します。また、戸蔦別川の床固工群並びに岩内川の砂防えん堤の整備を継続して推進し、土砂移動による災害の抑制を図ります。
 「内外の交流を支えるネットワークとモビリティの向上」のため、昨年11月に供用を開始した幸福IC〜中札内IC間に続く区間の高規格幹線道路を重点的に整備するとともに、安全・安心な国土づくりのための防災事業を重点的、かつ、効果的に整備します。また、安全で安心な道路交通を確保するため、道路の維持、修繕、防災や交通安全事業に計画的に取り組んでまいります。十勝港においては、道内最大級の飼料コンビナートの平成23年本格操業に向け、貨物船の大型化及び貨物需要の増大に対応し、物流の効率化を図るための多目的国際ターミナル整備を推進します。
 「グローバルな競争力ある自立的安定経済の実現」のために、『農業王国十勝』の効率的で安定した生産性を維持・向上させるとともに、安全で高品質な農産物の生産に資するため、新たに国営農地再編整備事業「中鹿追地区」及び直轄明渠排水事業「利別川左岸地区」に着工するほか、引き続き、排水改良やかんがい施設の整備を進めるとともに、国営総合農地防災事業などにより、機能低下した農地や農業用施設の機能回復などを図ります。また、大津漁港において、通年を通して安全な漁業活動を確保し、水産物の安定供給を図るための施設整備を推進します。
 さらに、「地球環境時代を先導し自然と共生する持続可能な地域社会の形成」のため、各事業を進めるに当たっては、『エコ・コンストラクション・イニシアティブ』の推進や、環境に配慮した新技術の活用の拡充などにより、良好な自然環境の保全・循環型社会の形成・低炭素社会の形成に努めて参りたいと考えております。
 本年が皆様にとってより良い年でありますことをお祈り申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。


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