建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年2月号〉

年頭所感

地域を第一とした国づくりを目指す

国土交通省北海道開発局室蘭開発建設部 部長 佐藤 昌志

 新年あけましておめでとうございます。皆様には健やかな新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
 昨年の胆振・日高地域を振り返りますと、地球環境をメインテーマとして過去最大規模による北海道洞爺湖サミットが開催され、管内はもとより北海道全体の魅力が世界に発信されたこと、室蘭港と韓国・釜山を結ぶ外貿コンテナ定期航路が再開された一方、苫小牧港では平成20年上半期の輸出入総額が過去最高を記録し、国際コンテナターミナルの西港から東港への全面移転が行われたこと、伊達市北黄金と洞爺湖町入江・高砂貝塚を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、世界文化遺産の政府推薦候補にされたことや洞爺湖有珠山とアポイ岳が日本ジオパークに認定されたこと等々全国的にも注目されるような明るい話題が多かったと感じています。
 しかしながら一方では、サブプライムローン問題を発端とした世界経済の低迷が、これら地域へ及んだことも事実であったと認識しています。
 平成21年は、昨年7月4日に閣議決定されスタートした「地球環境時代を先導する新たな北海道総合開発計画」が本格的に展開される年です。
 室蘭開発建設部といたしましては、国の財政改革が進められる厳しい事情の中ではありますが、新たな北海道総合開発計画に掲げられた3つの戦略的目標「開かれた競争力ある北海道」「持続可能で美しい北海道」「多様で個性ある地域から成る北海道」の実現に向け、同計画の主要施策に基づく事業を推進します。
@『グローバルな競争力ある自立的安定経済の実現』を目指した事業として、1)急速に進展する国際化へ対応できる農業の体質強化と農村の活性化を目指し、新たに安平川(二期)地区において用水路の整備に着手するほか、勇払東部(一期、二期)地区では、引き続き用・排水路整備やダム取水設備の改修を進めます。2)「つくり育てる漁港」と「ふれあいの漁港」を目指す追直漁港、「衛生的で安全かつ効率的な水産物の供給」を目指す登別漁港等の整備を進めます。
A『魅力と活力ある北国の地域づくり・まちづくり』を目指した事業として、1)多様で個性的な地域づくりに向け展開されているシーニックバイウェイ北海道〜洞爺湖エリア〜、2)誰もが暮らしやすい生活環境の実現に向け取り組まれている冬期ボランティアサポートプログラムを支援します。
B『内外の交流を支えるネットワークとモビリティの向上』を目指した事業として、1)物流効率化を目的とした苫小牧港東港区での国際海上コンテナターミナル、白老港での外・内貿ターミナルの整備 2)物流において極めて重要な北海道の骨格を形成する高規格幹線道路日高自動車道の整備を継続します。
C『安全・安心な国土づくり』の事業として、1)近年頻発する水害に備えた鵡川・沙流川における河川改修 2)火山泥流対策と関係機関との連携による地域防災教育などハード・ソフト一体による樽前山の噴火に備えた防災・減災対策 3)胆振海岸の浸食や波浪防止のための護岸や人工リーフ整備を継続するほか 4)安全で信頼性の高い道路ネットワークの確保を目指した一般国道336号襟広防災や一般国道453号蟠渓道路の整備、また交通事故多発区間での集中的な対策を行う等効率的・重点的な交通安全対策も推進します。
 これらの実施にあたっては、エコ・コンストラクション等を通じて環境保全に配慮しつつ、地域住民の方々と連携・協働し進めるとともに限られた予算をより効果的・効率的に執行するため、緊急性や重要度が高い施策を重点的に実施する等、総合的なコスト縮減、さらには入札・契約制度の透明性の確保に向けた取り組みに努めてまいります。
 室蘭開発建設部におきましては、豊かな自然と資源に恵まれ、また第1次から第3次産業までの幅広い生産活動を展開し、また流通の拠点として北海道をリードしている胆振・日高地域のさらなる成長を支援するため、地域を第一とした国づくりを目指すとともに地域とのコミュニケーションを通じ皆様の信頼に応えてまいりますので、皆様のなお一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 最後に新しい年が皆様にとりましてより良い年となりますよう心からご祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。


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