建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年2月号〉

年頭所感

道北道東の結節点としてのインフラ整備を促進

国土交通省北海道開発局旭川開発建設部 部長 柳屋 圭吾

 新年おめでとうございます。平成21年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
 昨年は北京オリンピックが開催され、旭川出身の柔道の上野選手が金メダルを獲得、陸上400mリレーではトラック競技としては日本人初の銅メダルを獲得した高平選手などの活躍がありました。また、管内においては、人気の旭山動物園も若干、減少したとはいえ、上野動物園を上回る多くの入場者がありました。しかし、上半期における上川管内の観光客数も若干の減少に転じたり、公共事業の減少などにより、建設産業を取り巻く環境は非常に厳しいものがありました。
 上川地域は北海道の中央部に当たり、稚内、網走、帯広方面への交通の結節点になっており、広い地域の移動時間の短縮のため、高規格道路などの整備が重要です。一方、治水対策は十分ではなく、石狩川、天塩川の整備が必要です。また、管内は食料の供給基地として、良好な環境に恵まれた北海道有数の農業地帯です。
 このような中、当部の平成20年度事業予算は、前年度を若干下回りましたが、道路事業では、新直轄事業・士別剣淵IC〜士別市多寄間や名寄バイパス、音威子府バイパスの整備など高規格幹線道路等の整備及び地域高規格道路としての富良野道路の整備を引き続き推進しています。
 治水事業では、石狩川及び天塩川の河川整備を進めるほか、十勝岳の火山泥流対策としての砂防施設の整備を行っています。また、サンルダムについては、道道の付け替え工事を行っています。
 さらに、地域の基幹産業である農業についても、安全で質の高い食料を安定的に生産するため、ぴっぷ地区、ふらの地区の国営かんがい排水事業を進め、直轄明渠排水事業でなかがわ地区に新規着手しています。また、国営造成土地改良施設整備事業として、てしおがわ地区と美瑛川地区を推進するとともに、国営総合農地防災事業として、とうま地区を整備促進し、新規として空知川地区に着手するとともに、国営農地再編整備事業として、新規に富良野盆地地区に着手しました。
 平成20年度は新たな北海道総合開発計画のスタートの年でしたが、新年度はその2年目として本格的に取り組んでいく必要があります。事業の推進に当たっては、地域の方々の意見を十分聞きながら、多様な主体の連携・協働により、地域の発展、活性化に向け、社会基盤整備を進めていきたいと考えています。そのためには、地域プロジェクトのフオローアップや進捗状況の確認などを十分に行う必要があると考えていますし、地域の双方向の意見交換など幅広い観点からの地域づくりのためのコーディネータ一役を果たしていく必要があると考えています。
 課題の解決に向けて、各種基盤整備を着実に推進することにより、北海道の果たす役割を確実に実行し、北海道及び上川地域の発展を図っていくことが重要と考えております。計画期間であるこれからの10年間は、北海道の将来にとって非常に重要な期間となると思います。 国や道、市町村などの関係機関とともに民間企業や住民、NPOなどが力を合わせて、この困難な時代を技術と知恵を活かして頑張ることが大切と考えております。
 昨年7月には北海道洞爺湖サミットが開催され、北海道のPRとともに、環境が大きくクローズアップされた年でもありました。これからは、地域の資源や魅力とともに、環境も含めた北海道イニシアティブの取り組みを北海道がリーダーとなって全国に先駆けて稜極的に進めていくことが大切と考えています。このような取り組み、そして意気込みが北海道及び上川地域の発展に生かせるよう、皆でカを合わせていければと願って、年頭のご挨拶といたします。


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