建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年2月号〉

年頭所感

新幹線建設で勢いづく函館管内

国土交通省北海道開発局函館開発建設部 部長 木村 邦久

 新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 昨年の渡島・檜山管内を振り返ってみますと、函館・青森間の高速フェリーの撤退など残念な出来事がありましたが、青函トンネルが昭和63年に開業して20周年を迎え、更に平成27年度の開業を目指し北海道新幹線の建設工事が進んでいます。
 また、今年は安政6年(1859年)発効の「安政の5カ国条約」により函館港が、新潟港・横浜港・神戸港・長崎港とともに国際貿易港として開港して150周年の節目の年を迎えます。
 一方、最近の道南地方の景気は、弱い動きとなっており、公共投資や企業の建設需要は横這いの圏内の動きとなっているものの、個人消費が雇用環境の厳しさや、食料品の価格上昇による消費者心理の慎重化などから、低調に推移しているほか、観光客の入り込みも弱い動きが拡がるなど、最終需要の足を引っ張っているようですが、造船をはじめ生産面は総じて底堅い動きが続いているようです。
 この様な中、当部における社会資本整備事業は、昨年7月4日に閣議決定された「地球環境時代を先導する新たな北海道総合開発計画」のもと、地域の皆さんのご理解とご協力をいただきながら着実に進めております。
 今年の事業推進にあたっては、食糧供給や観光振興など地域の特性を活かすような施策を積極的に展開するとともに、防災・減災対策など安全・安心で快適に暮らせる地域づくりに必要な社会基盤整備等を着実に進めるため、事業の重点化を図りつつ、事業間連携や関係機関、地域の方々と協働・連携し、時代のニーズに応じた効果的・効率的な事業を展開したいと考えております。
 主要なものとして、道路事業では道内各地域間の交流の活性化とともに、各地域から函館への日常的な移動の利便性・安全性の向上のため、高規格幹線道路「北海道縦貫自動車道(新直轄区間)」「函館江差自動車道(函館茂辺地道路)(茂辺地木古内道路)」や地域高規格道路「函館新外環状道路(空港道路)」「渡島半島横断道(国縫道路)」などの道路整備を進めます。治水事業では、水災害のない安全でゆとりのある社会基盤の形成を図るとともに、豊かな自然を活かした個性的な地域づくりを目指して、後志利別川の治水事業を進めます。港湾事業では、「21世紀の北海道港湾ビジョン」に示す基本目標である「ネットワーク機能の強化」、「地域の活性化と個性の発揮」、「安全・安心な暮らしの実現」を目指し、国際貿易や国内物流の拠点としての港湾機能の充実、地域生活基盤の充実などに向けた整備を進めます。空港事業では、函館空港の老朽化したエプロンや誘導路の改良整備を進めます。水産基盤整備事業では、「力強い産地づくりの推進」「自然と調和した漁港づくりの推進」「安全・安心な漁村の形成」等を目指した漁港の整備を進めます。農業農村整備事業では、「食」の安全・安心に供するため、農業・農村の多面的機能を活かし、豊かな田園空間と環境に調和した持続可能な道南地域の農業を確立する施設整備を進めます。
 函館開発建設部では、今後とも、安全で安心な暮らしと地域の活性化に貢献する事業を職員一丸となり推進していく所存でおりますので、一層のご理解とご協力をお願いしますとともに、皆様のご健勝とご多幸を祈念し、年頭のご挨拶といたします。


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