建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年2月号〉

年頭所感

不況に負けない道央経済の強化に向けてインフラを整備

国土交通省北海道開発局札幌開発建設部 部長 川村 和幸

川村 和幸 かわむら・かずゆき
昭和27年 9月19日生まれ 北海道出身
昭和51年 3月 北海道大学工学部卒
昭和51年 4月 北海道開発庁採用
昭和61年 6月 同 北海道開発局建設部道路計画課開発専門官
昭和62年12月 日本道路公団札幌建設局技術部工務課長代理
平成12年 6月 北海道開発庁北海道開発局建設部道路計圓課長
平成13年 1月 国土交通省同
平成14年 8月 国土交通省北海道開発局開発監理部開発調整課長
平成15年 7月 同 北海道開発局旭川開発建設部長
平成17年 4月 独立行政法人北海道開発土木研究所研究監理官
平成18年 4月 国土交通省北海道開発局札幌開発建設部長

 新年あけましておめでとうございます。
 皆様には、健やかに新しい年を迎えられたことと、心からお慶び申し上げます。
 現在、我が国の経済は、アメリカ発の株価の下落を受けて、景気の後退局面にあると言われる状況にあります。その中で北海道の景気は、昨年12月15日の日本銀行札幌支店金融経済概況によれば個人消費はやや厳しい状況にあり、設備投資は底堅く推移しているものの公共投資は低調に推移しているほか、住宅投資も弱めの動きが広がっている等により、全体としては厳しい状況にあるとされています。このような状況の下、当部におきましては、関係各位の御協力を得ながら、昨年10月末に「道央地域づくり連携会議・合同会議」で合意された「地域づくりの方向」に沿って、石狩、空知地域の活性化に国の立場で寄与すべく各種施策を積極的に推進しております。
 当部の事業を部門別にみますと、道路事業では、地域間の連携強化、物流拠点とのアクセス向上を図る地域高規格道路として、道央圏連絡道路(新千歳空港関連、美原道路等)の整備、都市内渋滞改善事業として、一般国道12号・275号苗穂交差点などを推進するとともに、円滑な交通の確保のため、一般国道230号小金湯拡幅など4車線化事業を進めており、昨年11月11日に一般国道38号赤平バイパスの全線完成供用を図りました。また今年度末には道央圏連絡道路・美原道路の豊栄〜美原間約2kmについて暫定2車線供用を予定しております。
 また、魅力ある都市の再生を目指し、快適な歩行空間の形成を図るべく一般国道36号札幌駅前通地下歩行空間の整備、バリアフリー歩行空間の形成や都市災害の防止のため、電線共同溝の整備を推進しております。
 安心・安全な道路ネットワークを確保するため一般国道231号雄冬防災や、橋梁の耐震補強を推進しており、昨年11月18日に一般国道231号雄冬防災の新赤岩トンネルの完成供用を図りました。
 農業事業では、国営かんがい排水事業として、空知中央用水地区、道央用水(三期)地区、篠津中央二期地区、樺戸(二期)地区、江別南地区、浦臼地区、当別太美地区及び幌新地区において、良食味米の安定的な生産に必要な用水確保のため、ダム、頭首工、用排水路、揚排水機等の整備を図ります。
 また、同じ国営かんがい排水事業の樺戸地区、当別地区においては、国営農業用水再編整備対策事業として、水利施設の整備と併せて地域用水機能(防火用水、親水・景観保全機能等)の維持・増進を図ることとしています。
 国営農地再編整備事業では、由仁地区、妹背牛地区において、区画整理等により、生産性の高い基盤の形成と土地利用の整序化を図ります。
空港事業では、新千歳空港において、国際線旅客ターミナル地区に関連した整備を完成させるとともに、大規模地震の際にも安心して利用できる空港を目指し引き続き耐震対策を実施します。また、航空機の安定運航確保を図るため、ILS用地に関する整備を推進するとともに、老朽化している誘導路等の改良を進めます。
 国営公園整備事業では、国営滝野すずらん丘陵公園の次期開園エリアである「森林体験ゾーン」の整備を推進し、平成21年度の供用を目指すとともに、平成22年度の全面供用を目指し、「自然観察ゾーン」の整備を推進しております。
このように当部事業が順調に進んでいることは、地域の皆様を始めとする関係各位の御理解と御支援によるところが大きく、心から感謝申し上げます。
 公共事業費は年々厳しさを増しており、社会資本整備は限られた予算の中で、低コストで質の高い事業を重点的、効果的かつ効率的に推進していくことが求められております。当部といたしましては、これまでの事業の成果と諸課題を踏まえ、地域の発展に寄与するため一層の努力を傾けてまいりたいと考えておりますので、皆様には今後とも御支援と御協力をお願いいたします。
 結びに、皆様のますますの御多幸と御発展を心より御祈念申し上げ、年頭のあいさつといたします。


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