建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年12月号〉

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施工評価で高得点が期待できるコンクリート温度応力解析システム

――他社施工現場へも解析予測サービスを提供

堀グループ・豊松吉工業株式会社


▲H19 共和橋

強力なスクラムで完璧な施工技術を実現した堀グループ

 堀典昭会長を頂点とする堀グループは、施工・監理を担う豊松吉工業(株)と、調査・設計・監理を担う北海道キング設計(株)、提案・資材販売・製品開発を担う(株)天商の三社で構成されており、設計から提案、資材供給、施行監理に至るまで、全工程を完璧にプロデュースしている。
 このグループ体制の中で、施工会社である豊松吉工業の橋梁施工技術には特に定評があり、建設CALSに応じた監理サイクルのシステム化、技術力向上のための人材養成システム、品質・安全・環境の各監理指標の確立、社内検査体制のさらなる充実など、多角的な体制整備を進めてきた結果である。
 また、技術的に優位な分野への特化とともに、新技術についても積極的に導入することで競争力が向上した。さらに、人間の顔を持った「中間技術」を尊重する理念から、ベテランスタッフや先人によって培われた経験と智恵を確実に継承することで、他社の追従を許さない技術という資産を蓄積してきている。
 こうした技術と実力によって、これまで北海道開発局の夕張シューパロダム弥生工区の橋梁架設工事、夕張川災害復旧工事、札幌大橋橋梁架設工事、北海道建設部の岩見沢大橋橋梁撤去工事、美浦大橋橋梁架設工事、雨竜橋架設工事及び旧橋解体工事(各写真)など、数々のプロジェクトにおいて優れた施工実績を残してきた。
こうした成果は、グループ三社のスムーズな連携と力強い協力体制の成果である。

▲H16 美浦大橋上部 ▲H17 岩見沢大橋解体 ▲H18 平班橋
▲H19 兜野橋 ▲H19 雨竜橋解体 ▲H19 雨竜橋(新橋)

後からでは対応できないコンクリートのクラック対策に「コンクリート温度応力解析」

 そうした強力なグループ体制を挙げて、全力で取り組んでいる分野が「コンクリート温度応力解析」である。
 コンクリートは材料、施工法、気象条件、構造物形状などの様々な要因でひび割れが発生するが、特に積雪寒冷地である北海道の厳しい条件下で、施工中にひび割れが発生した場合は、施工の仕上がりの美観のみならず、耐久性に大きく影響することから、その発生防止は欠かせない。まして、近年はより高度な品質管理と耐久性の確保が求められている。
 そうした時代の要請を十分に満たすのが、この「コンクリート温度応力解析」で、使用されるのは豊松吉工業技術管理部が研究会事務局となって運用しているASTEA-MACS(ASTEA-MAss Concrete structure analysis System)だ。
 これは有限要素法(FEM)による温度応力解析専用プログラムで、主にマスコンクリートの水和発熱などによる熱伝導計算から応力計算までを一貫して解析するシステム。このシステムの運用には高度の知識が必要となるため、これを導入しているのは、グループのほかに道内では数社程度しかない。
 このシステムの利点は、ひび割れに対して、従来のように技術者の経験に頼るのではなく、解析によってひび割れ指数を客観的に数値化し、それを3D画像(図)で視覚的に表現できるので、顧客が理解しやすいことにある。それに基づき、当初設計の事前解析によって構造物の特性と具体的な対策方法の検討が可能になり、その結果、コンクリート施工の技術向上が図られることが期待される。

▲解析事例 ▲床版解析事例 箱桁でのRC床版及び壁高欄の解析

他社施工現場での予測サービスも提供

 このシステムは、すでに豊松吉工業の施工現場で数多く実施され、確かな成果を上げているが、それ以外に他社施工現場にも予測サービスを提供しており、各発注者からも高評価を得ている。
 特に、施工計画の段階で、施工工程など現場に即した3D画像を表示できるため、現実により近い形でのシミュレートが可能で、解析は土木学会やJCI(社・日本コンクリート工学協会)が提唱する計算式や物理特性値を使用することから、信頼度も高い。
 このため、施工者はこのサービスを活用することで、完成後の工事評価点において、高度技術導入にともなう評価点の加算が期待できる。総合評価方式などの入札制度における技術提案においても、これを採用することで、評価点加算が期待できることから、このシステムを利用したかどうかで施工会社に対する発注者の信頼と評価は大きく変わってくることになる。

お問い合わせ
北海道コンクリート温度応力解析研究会
事務局 堀グループ            技術管理部 TEL 011-812-2522
担 当 豊松吉工業株式会社      深堀 東吾 TEL 011-812-6605
     北海道キング設計株式会社  林  憲造 TEL 011-824-3096

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